既にマグリット展を見ている人から、「精神的にやられました。展覧会に行くのは一日に一つ以上は無理です」と言われた。
同僚から、「マグリット展行ってきたよー」とマグリットのポストカードを何枚も見せてもらった。 それくらい、インパクトがあり、人に紹介したくなる作品を世に出したマグリット。
僕は名前すら知らなかったんだけど、今回展示されている絵のうち何枚かは「ああ、見たことがあるような」というものだった。
シュールレアリスムで知られる作家。後世のアート界に与えた影響は大きいという。
よくぞここまで集めたな、と感心させられる展示数で、さほど広くない展示会場にはみっちりとマグリット密度高し。 そのため、より一層独自世界感が醸し出され、引き込まれてみたり、首をひねってみたり、ちょと引いてみたり。
とにかく、いろいろ考えさせられる絵ばかりだ。 何の意味があるのこの絵は?というものも多いが、画力がもともとある人なのでぐいぐい引き込まれる。 単に意味不明な、稚拙な絵で「俺の芸術は凡百にはわかりゃしねぇよ」とふんぞり返っているのではない。凡百にも親しみやすい絵柄なんだけど、とても奇妙な絵だ。
ありがちな光景の中に、ありえないアイテムが描かれていたり、よくぞまあこの構図を思いついたものだ、と驚くことばかり。すごい作家だと思う。
確かにこれは、既に見た人が周囲の人にアツっぽく語る意味がわかる。
マグリットの後期の作品になると、もう絵そのものと作品タイトルの相関性が全くないように見える。だからこそ、いろいろ考えるのが楽しい。 こういうのは、カップルで訪れるのが良さそうだ。あーでもないこーでもない、と一枚の絵を囲んで話し込むというのはきっといいイチャイチャになると思う。
(2015.04.13)
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