東京都現代美術館で何か新しい展示があるときは、できるだけ見に行くようにしている。
今回も、何がなんだかわからずに行ってみた。山口小夜子って誰やねん状態で。
僕が生まれる前くらいから脚光を浴び、「世界のSAYOKO」とまで言われたトップモデルだという。世代的に、僕は全くこの人を知らない。
「世界の○○」という言葉は未だに日本のマスコミは使うが、大変にうさんくさく僕は感じている。ギャグとして使っているなら話は別だが。
そんなわけで、「世界のSAYOKO」として紹介されている展示の冒頭では、僕は大変いかがわしく彼女のポートレートや紹介されている記事などを見ていた。
しかし、展示が進んで行くにつれ、だんだんとこの人の魅力が心地良くなってきた。ああ、なんかかっこいいな、と。
この人が活躍した時代である70年代、80年代頃の世俗をあまり知らないので、最初はそのあたりも勘案しながら頭で翻訳しながら見ていて、全然良さがわからなかった。
でも面白いもので、沢山の展示物を見て行くうちに頭が慣れてくる。
最後は、ファンとまではいかなかったけど、この人いいねえ、というところまで至った。
なんか、アメリカ人がハリウッド映画で起用する日本人女性像って感じ。目が細く、つり上がって、えらが張っている頬。そして華奢で長い身体。 ステレオタイプだな、と思ったし、本人もそれをわかっていて敢えてそういう立場を演じているのかな、と思ったのだけど、いやいや見ているうちに吸い込まれていくぜこれ。
特に、資生堂が全面的に彼女を起用して各種広告媒体に利用していたのだが、その作品が秀逸でびっくりした。すげーインパクトがある。こんな1個人の展示が現代美術館で行われているのだから面白いもんだ。人物にスポットを当てた展示だなんて。
コメント