
女性絵画作家の作品ってそういえばあんまり見たことがないな、と思いつつ訪れた展覧会。
描かれている人たちの、不細工さと、でもインパクトが強くて目が釘付けになるっぽさはレオナールフジタ級だ。 もうちょっとかっこよく描いてやれよ、というくらい歴史上の人物にせよ想像の人物にせよ、不細工だ。
でも、その異形が醜いというわけではなく、すがすがしく不細工で、見ていて楽しくなってくる。
けばい色使い、極太の輪郭線、写実的とはちょっと違う顔の表情など、素人臭さがありながらも、トータル的なインパクトはさすがプロと唸らされる。
この人の後期はヌードデッサンもやるようになっているのだが、これがまた美しくないんだわ。モデル自体が、身体がたるんだお年頃の方をチョイスしていたりするのだろうが、「ヴィーナス誕生」のような理想的な美の追究とは違う世界だ。 それがまたこの人の作品の魅力。
とても面白い個性で、堪能できた展覧会だった。
(2015.04.30)
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