境界 高山明+小泉明郎展@銀座メゾンエルメス フォーラム

銀座エルメス

すっかり中国人に乗っ取られた感がある銀座の町。

そんな銀座のど真ん中にあるエルメスもまた、中国語が飛び交う空間になっている。

ドアの開閉だけを専門にやるスタッフが入口にいるようなお店。 昔はビビって、お店に入ることすらためらわれたものだ。しかし、最近はざっくばらんな格好をした中国人観光客の来店が増加したお陰で、僕ごときユニクロ着用の冴えない日本人が入店しても全然違和感が無くなってしまった。

良いような、良くないような。

ここで発表される展覧会は常に意味不明というか難解かつ抽象的なものだ。今回は日本人作家による映像作品ということで、比較的わかりやすかったといえるが、それでも「なんだこりゃ?」という驚きに包まれた内容だった。

「なんだこりゃ?」アートには二種類あって、「よくわからん。じゃ、次。」となるものと、「なんだなんだ、何が起きているんだ?」となるものとがある。今回の展示は、2名の作家作品ともに後者の方。

特に小泉明郎の映像作品は、ホラー映画的でもあり「これはなんなんだろう」とずっと魅入ってしまう内容だった。 何しろ、冴えないおっさんが薄暗い窓際で、ずっとボソボソと「そのとき・・・子供を・・・突き落とした。突き落とした?・・・子供?・・・その、とき・・・」と喋っている映像だ。遠い記憶をたどりながら、思い出しつつ喋っているようでもあり、字が小さいか薄暗いせいで脚本が良く読めていないだけのようでもあり、何度も何度も、同じセンテンスを反芻する。

しかも語尾に「?」が付くしゃべり方をしたり、言葉が途切れたりするので、見ている方がハラハラしてくる。

さらには、喋っている内容が、「子供を突き落としたが、頭から落ちないで尻から落ちたので死ななかった」みたいなものであり、何なのこの世界観は、というところでもスリルがあった。

(2015.08.07)

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