歌舞伎役者や芸妓を描いた浮世絵多数。
歌舞伎で「見得を切る」ときに寄り目にする、という技術があるが、浮世絵で描かれている男性たちはみな右の黒目と左の黒目が別々の方向を向いている。ぱっと見、不気味なのだが、これが当時とてもクールだったんだろう。
作品を紹介する解説文がノリノリ。展示会タイトルからしてくせ者だが、文章もそう。ルビを多様し、「骸骨」を「スカル」と読ませたり、あちこちで今風な、キラキラルビを振りまくっていた。
こういう浮世絵が当たり前の世界で、明治に入ってから西洋画を知った人たちは衝撃を受けたと思う。きっと、浮世絵なんてダサいと思った人も多かったはずだ。しかしそれが今やどうだ、回り回って、浮世絵がなんとカッコいいことよ。
(2016.05.22)
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