宇宙という題材はいろいろな可能性があり、さぞや面白いアプローチがあるだろう・・・と期待していた。
しかし、キュレーターがフォーカスを絞り切れなかったらしく、ピンぼけしまくりな展示内容。どうした森美術館?というレベル。
なにしろ、いきなり両界曼荼羅で仏教の世界観を語るところから始めたまではいいけど、日本初の反射望遠鏡が展示されていたり、いん石が展示されていたり、博物館だかなんだかわからない状態。
竹取物語の絵巻がぽこんといきなりあったりもする。
しかも、アート作品はところどころあるものの、唐突過ぎて困惑してしまう。「宇宙」といっても、いわゆる「宇宙空間」なのか「星」なのか、「信仰」なのか「空想」なのか、抽象的な意味なのか具体的な意味なのか、そのあたりをちゃんと仕切った上で語らないとまとまりがない。 しまいには軌道エレベーターやテラフォーミングの解説VTRなんてのもあったけど、これはもう芸術ではあるまい。
もう少し範囲を狭めて、宇宙物理学的なアプローチにもどついた素材をもとにしたアート作品とか、逆にまったく空想の世界での宇宙を表現したアート作品とか、どっちかにした方が良かったと思う。少なくとも、博物館的な展示は不要だった。
(2016.09.19)
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