たまたま通りすがったTWS本郷で、展示があったので覗いてみた。
がらんとしたスペースに、模造紙のような紙に記事が書かれ、壁にクリップ止めされているだけ。
ところこどころ、インタビュー動画を上映する小型の液晶ディスプレイがある。学祭でもここまでシンプルではない、という展示。
なんだこれは。 中に入っておきながら「何だこれは」というのはあんまりだけど、事前情報なしで思いつきで入ったのだから当然のことだ。
展示されていたのは、世界各国にある「アート・センター」と呼ばれる芸術の発信拠点となっている場所のレポート。どのようなプログラムがそこでは行われているのか、といったことが紹介されている。
芸術作品そのものが紹介されているのではなく、あくまでも「アート・センター」そのものの紹介だ。
そのレポートの最後には必ず決まって「直面する課題」についての記載があるのだが、あるアートセンターでは 「私たちが直面している最も大きな問題は、鑑賞者の獲得である。また、資金を得ることは、もう一つの慢性的な課題である」 という一文が書かれていたので寂しい気持ちになった。
資金難は世界共通の課題だろうけど、「見る人もいない」というのはどうしたものか。国としてまだ芸術鑑賞が根付いていないというのはあるだろうけど、人からの関心が集まらないようなアートって果たして意味があるのだろうか?という根源的なことを考えさせられた。
(2016.10.02)
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