パロディ、二重の声@東京ステーションギャラリー

パロディ、二重の声

1970年前後を中心とした、既存の権威を茶化し、風刺する「パロディ」が流行っていた時代の作品を展示している。

パロディ、二重の声

絵、文章、雑誌、広告、パフォーマンスなど。いろいろな形で、既にあるものを元ネタとして改変展開している。

まず驚かされるのが、これだけ多岐にわたる企画展をよくもまあキュレーションできたものだ、ということ。当時の世相に対して幅広くキャッチアップしていないと、この企画は成立しなかったと思う。

パロディ、二重の声

パロディという言葉は、2017年の今においてはすっかり勢いを失ってしまった。ネット上ではコピペなどをはじめとするパロディは相変わらずたくさん存在するけど、あえて「パロディ」という表現を使うことはない。コピペなんて、「パロディでございます」と大仰に看板を掲げるまでもないことだ。それだけ、既成勢力に対する批評精神というのは根付いたともいえるのだろう。

パロディ、二重の声

もっとも、著作権法の解釈が深化し、「引用と転載」に対して扱いが厳しくなったというのもパロディが表に出てこなくなった最大の理由だろう。

パロディ、二重の声

この企画展でも、70年代にマッド・アマノが作った作品が、別のカメラマンの著作権を侵害しているかどうかの裁判が延々10年以上繰り広げられたことについて触れられている(結果的にアマノ側が敗訴)。

あと、今回の展示で見ていて思ったのが、パロディ作品の多くが「卑屈」な印象を見るものに与え、「内輪ネタ」感が匂いたってきた。どれもひねりがきいていて面白い作品なんだけど、「こりゃあ面白い!」と素直に笑えたり考えさせられるものは少ない印象だった。そういう世界観が、2017年の今ではたぶん受けないんだと思う。

(2017.03.31)

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