
えっ!?と思うような絵を描く人、アルフォンス・ミュシャの展覧会。
今の日本漫画でも通用する絵柄。どこかで見たことがある、と思うがなんだろう。「ああっ女神さま」に似ている気がする。
この人が生きていた年代って今から100年前で、しかもチェコの人だ。こういう「漫画的絵柄」が、突発的にこの人のセンスで爆誕したのか、それとも当時のチェコ界隈ではこういう絵柄が当たり前だったのか、よくわからない。
いずれにせよ、感嘆すべき絵の構図、キャラクターデザイン、ポージングだ。なんでこんなにキャッチーな絵なんだ?と思ったら、この人の肩書きは「グラフィック・デザイナー」だった(Wikipediaによると)。
なるほど道理で。
ポスター絵を得意としていただけあって、グッと見る人の心を掴む絵がとても上手だ。一般的な絵画が、第三者的な立ち位置で絵が描かれているのに対し、ミュシャの絵の多くは「あなたと、わたし」という二人称的ポジションで絵の中のキャラクターが見る人に訴えかけてくる。
なにせ、カメラ目線なキャラクターがいろいろな絵に出てくるのだ。ちょっとギョッとする。こっち見てるぞ、おい!って。
一歩間違えると、日本の萌え文化に通じるような女性の絵も多く、とにかく感嘆しっぱなしだ。家に飾るものがあればいいな、と思って売店で商品を探してしまったくらいだ。
しかし、ポストカードサイズのコピー絵になってしまうと、本当に俗っぽくて「アート」感がしない。「本物だったら家に飾りたいのになあ」と、できもしないことをぶつぶつ言いながら、会場を後にした。
(2017.04.23)
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