2017年6月15日木曜日 16:00 UTC+09
あー、苦手なやつやー。 恐らく、多くの「特に写真展には縁が無いです」という人が抱くであろう困惑を今回も感じた。
「いま、ここにいる」という展覧会名のとおり、何気ない町の風景などがずらっと並ぶ。そこに「面白い写真を撮ってやろう」なんていうむらっ気はなく、淡々と写真が並ぶ。
一人の作家さんの作品がいくつも並んでいるので、ざーっとそれらを見ているうちになんとなく納得感は出てくる。しかし、1枚だけ見ても、何が良いんだかさっぱりわからない。ピンぼけしている写真も時折混じるし。
プロカメラマンの世界では、「このピンぼけが素晴らしい!」ということなのかもしれない。でも、素人から見たら「単なる失敗作」にしか見えない。なんか、プロの世界でしかわからない、プロのための表現というのがあるのだろう、きっと。
ちなみにこの展覧会で圧倒的に存在感を放ち、ビシバシと僕の心を打ったのは、「籐の籠に入った、山盛りのミカン」の写真だった。よくこたつの上に乗っていたやつ。「だからなんなんだよ!」と思うが、絶妙なつややかさ、ふっくらさがギュンギュン写真でも伝わってきて、コイツァすげえ、と思った。
つまり、この写真展っていうのはそういうことなんだろう。日常光景に潜む、「ちょっとだけ心にひっかかるもの」を切り取る、ってことか。
まあー、それを見て楽しいと思うかどうかは、人それぞれだけど。僕は最終的にミカンで救われた。ミカンがなければ、面白くない展示だった。
(2017.06.10)
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