昔はガッチガチに都内の展覧会情報を調べ、綿密にスケジュールを立てて動き回っていたものだ。しかし最近はすっかり情報調査がおろそかになっていて、聞いたこともないような小規模ギャラリーに踏み込むようなことは少なくなった。定番ともいえるギャラリーを巡るだけでも、それなりに時間がかかるからだ。
そのため、気が付いたら上野、銀座を中心としたギャラリー巡りになっている。
もっとアクティブに動き回りたい、という気がするけど、面倒くさくって。
そんな中見に行った銀座8丁目の資生堂ギャラリー。 刺繍作家の個展。 こういうのは、作品そのものを楽しむだけでなく、神妙な顔をして作品の周りを歩き、時には顔をしかめ、時にはしゃがみこんで、「作品を堪能している風」を装う、という自分自身のロールプレイングが楽しい。
なんか、わかってるっぽいでしょ。
時には軽く頷いてみたり。
あんまり露骨にやると、挙動不審者だ。あくまでもさりげなく、あくまでも自然に。まるでそよ風のように、くさい芝居をやって「難解な作品を満喫している様子」を周囲に見せる。
こういうメタ視点を意識しはじめると、精神が病んでくるからあんまりやるべきではないのだけど、楽しい。
(2017.07.18)
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