パリ♥グラフィック—ロートレックとアートになった版画・ポスター展@三菱一号館美術館

パリ♥グラフィック—ロートレックとアートになった版画・ポスター展

ポスター絵、というのは独特の世界観があって面白い。

昔の絵が総じて「神の目線」というか、「冷めた第三者の目」で対象物を眺めている感じなのに対し、ポスター絵というのは 「これを見ているあなた。そう、そこのあなただ。見てるのはわかってるんですよ?」 と語りかけてくるようだ。

「あなたと、私。」という二人称的描かれ方というか。自分自身もその絵の中に入り込むことを強要される雰囲気がある。

以前、「ミュシャ展」を見たとき、描かれている人物がこっちを見ていて「何こっち見とんねん!」と突っ込みを思わず入れてしまったことがある。あれもポスター絵なので、見ている方としてはドキっとする。従来の絵の描き方と、似て非なるものだからだ。

昔の絵が俯瞰的に対象を描くのに対し、ポスター絵は大胆に構図を切り取る。だから、人物なりモノなりが、バーンと強く主張をしてくる。そのインパクトは、さすが近代の絵、という印象を抱かせる。

そして、絵の余白の使い方も素晴らしい。当然絵を描くだけじゃ広告にならないので、余白を大きく確保して、そこにお店や商品の名前を入れるようにしてある。構図の妙だ。

浮世絵も、大胆な描き方をしていてフランスのポスター絵と似ているな、ということに気づかされる。

パリ♥グラフィック—ロートレックとアートになった版画・ポスター展

ロートレックは言わずと知れたポスター画の巨匠。しかし、その絵を見るとなんだか不格好なものが多い。イケメンも美人もいないし、デッサンが崩れているのかデフォルメしているのか、それとも当時の服というのはこういうものなのかがわからないシルエット。

とはいえ、インパクトたるや相当なもので、ああ、これだと道行く人の目を惹くな、というのが21世紀の今でもよくわかる。

僕は美術展に行っても、ざーっと流し見するだけでじっくりと作品を見ることが少ない。なので滞在時間は総じて短いのだけど、こればっかりは1時間半くらいかけてじっくりと鑑賞した。どれもこれも面白いし、ほかの絵と見比べるのが楽しいからだ。

パリ♥グラフィック—ロートレックとアートになった版画・ポスター展

こういうポスター画を家に飾りたいな、と思ってミュージアムショップに行ってみたが、絵はがきだとインパクトに欠けて買う価値がないと思ったし、大きなサイズだとピンボケしたような絵だったのでやめた。 特に、家にロートレックの絵を大きく飾っている、ってなんかダセーと思ったし。「アートが好きなんですよ、特にロートレックとか。」なんて意識高い振りをしている軽薄な人間っぽくて。それだけロートレックの絵というのは有名すぎる。

気を取り直して、帰宅後に漫画のコマ割りされた絵で、大きなもので、額装されたアート作品ってないかな・・・大友克洋の「AKIRA」の絵とかあればいいのだけどな・・・と思って探してみたけど、なかった。AKIRA新刊発売を告げる30年前のポスターの復刻版、というのがAmazonで売られていたけど。それはちょっと違う気がして、手を出さなかった。

(2017.12.22)

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