
Bunkamuraのギャラリーで行われていた、近現代アートの展示販売会。
たまたま発見したので立ち寄ってみたら、お宝の宝庫で興奮した。 「マジか!?」と思わず声を上げてしまう巨匠の作品、しかも本物が売られている。美術館に収蔵されていてもおかしくないようなものまで。
ピカソとか、藤田嗣治とか、ミュシャといった大御所から始まって、奈良美智、草間彌生、村上隆という日本の現代アート三巨匠の作品がそろい踏み。
案外ピカソの作品なんて、高くないものもある。数十万円程度。もちろん、リトグラフによるものなので全く同じ作品が世の中に数十程度は存在するわけだけど。それでも値打ちがある作品だ。
最近、「いい感じのアート作品を所有するというのは、趣味の観点からも資産形成の観点からも良いことだ」と考えている。なので、手頃な価格帯の作品があれば、積極的に購入を考えたいと思っている。 というのも、先日、とあるギャラリーで絵を買ったのだけど、改めて「あっ、そうか、絵には『中古品で値崩れ』という概念がないのか!」と驚かされたからだ。もちろん知識として知ってはいたけれど、いざ自分の財布からお金を出してみて気がついた。
話を戻すと、何故か21世紀に入ってからの藤田嗣治の作品、なんてのがある。えっ、この人死んだ筈なのに生き返ったのか?とびっくりしたが、さらに驚いたのはそれがリトグラフ製だということ。ミュシャの作品もそう。なんでこんなのが存在するんだ。
なんでも、作品の著作権を正式に管理している組織のお墨付きで、昔の作品をリトグラフ化して売っているのだそうだ。もちろん、エディションフリーではなく、300程度の数量制限はかけているようだけど。 よく見ると、作家のサインは明らかにリトグラフによる印刷。
本来のリトグラフは、刷った後に作家が鉛筆などで手書きのサインを入れ、エディション番号を入れる、ということをやっているけどそれがない。代わりに、著作権管理団体のものと思われる刻印が入っている。
これだったら、ミュージアムショップなんかで売ってる精密なコピーでいいじゃん、と思う。最近のやつは絵の具の立体感までも再現するようなリアルなものもあるし。
ミュシャの作品でかわいいのがあれば欲しかったのだけど、やっぱり数十万円するし、それに見合った資産価値があるとは思えなかったので、パス。
奈良美智の絵(これもリトグラフだけど、本人直筆サイン入り)で気に入ったのがあったけど、値段を見てひっくり返った。450万円くらい。すげえな、さすがビッグネームの作家だけある。しかもこれ、リトグラフなので同じものがたくさん存在する。エディション300だったと思うが、えーと、そうなるとこの作品の限が一つで一体どれだけのマネーが動くというのか。
ちなみに我が家にも1枚、奈良美智の絵は飾ってある。ちゃんとしたお店で買ったとはいえ、エディションフリーの作品なので、資産価値はない。額装されているとはいえ、買った値段は1万円弱だったはずだ。なかなかにお高い。コピーものでさえそんな値段なのだから、そりゃあ本物ともなりゃ、桁が2つも3つも変わって当然だ。
当たり前だけど、何も買わずに退散。金銭感覚が狂ってしまい、村上隆の10万円台の作品さえも安く見えてしまい、「これくらいだったら買ってもいいか・・・」とチラリと考えてしまった自分が怖い。
(2018.01.11)
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