谷川俊太郎展@東京オペラシティアートギャラリー

谷川俊太郎展

谷川俊太郎、という詩人については、僕が学生時代夢中になった「NHKスペシャル 驚異の小宇宙・人体」シリーズのオープニングで彼の詩が朗読されていた、という点においてのみ知っていた。

そもそも、僕に「詩」を読むという趣味はない。

谷川俊太郎展

しかし、「かっぱかっぱらった・・・」と子供の頃、呪文のように唱えて面白がっていた言葉が谷川俊太郎によるものだった、とか、ビートたけしが80年代に歌った「TAKESHIの、たかをくくろうか」も谷川俊太郎作詞だと知って驚いた。

自分の無知を改めて知ったのはこの際どうでもいい。 「詩人」をテーマとした展覧会で、ここまで面白く演出することができるのか!という驚きの方がもっと強いし、ワクワクさせられた。

世の中、文豪や詩人を顕彰するための博物館的施設はたくさんある。しかし、大抵、つまらない。よっぽどその人のことが好きでもないかぎり。

その人が執筆に使っていた机と椅子が展示されていて、直筆原稿があって、年表がパネルになっていて・・・と相場が決まってるけど、そのなんと面白みに欠けることよ。 作家さんの作品に改めて興味がわくことはなく、単に「その作家について、知識を得る」ためだけの場所になってしまっている。

谷川俊太郎展

どうしても、建物を建てて維持していく、ということで地方の文豪記念館は運営が大変だと思う。その作家さんの記録を後世にとどめるだけで手一杯、という事情もあるだろう。集客が見込める大都会東京の、しかも期間限定の企画展と比較するのは酷だけどもっと演出をしっかりする余地はあるものだな、と思った。

谷川俊太郎展

圧巻なのは、会場入ってすぐの暗室で展開されていたインタレーション。 部屋をぐるっと20台以上の大型ディスプレイとスピーカーが取り囲み、それが谷川俊太郎の朗読による「かっぱ」とともに音と映像がぐるぐる部屋中を回る。端から見ると馬鹿みたいな文章である「かっぱ」の詩が、いかにカッコいいことよ。これは実際に現地に行かないと体験できない、素敵なものだ。音と映像に取り囲まれるサラウンド感は相当なものだ。

しかも、美しい不協和音の音がバックに時折入るのが、高揚感が得られてとてもいい。坂本龍一が作りそうな和音だな、と思ったら、コーネリアスの作だった。なるほど、道理で。

コーネリアスは、国立新美術館で開催された「三宅一生展」でも音楽を提供していて、僕は夢中にさせられた。この人、すごいわ。

最近の僕は、面倒くさくなってきて「山手線圏外の場所にある美術館/博物館にはいかない」という方針になりつつある。都心部にギャラリーが多すぎて、きりがないからだ。

初台にある「東京オペラシティ」も、僕としては対象外となる場所にあたる。なので最近はあまり訪れていなかったのだけど、改めてここの展示を見ると唸らされる。学芸員がすごいのか、毎回ここの展示は「来て良かった」と思わせる。

今後も、ここの展覧会は極力見ていくようにしたい。

(2018.02.09)

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