
日本固有の植物「イタドリ」。 これをシーボルトが観賞用としてヨーロッパに持ち帰って以降、その繁殖力の強さから全世界に広がり、今や各国の生態系をも密かに脅かす存在にまでなっているのだという。
「外来種による被害」というのは、か弱い日本が一方的に被害を受けるものだという印象が強いけど、どっこい日本の在来種も強いやつは強い。
外国に被害を与えているという事例。 この展覧会はそんな「外来種による被害」を告発する場ではない。外国の至る所で、「シーボルト由来のイタドリが繁殖している」という事実を切りとり、人間の営みとか生命の強さを表現している。
それはそれで面白いんだけど、展示物はあくまでも写真。写っているのは、あくまでも「(イタドリの)茂み」であり、風光明媚でもなければ美しくもない。
世界地図を例示しながら、「ほら、こんなところにもイタドリがあるんですよ」ということをわかりやすく説明するということもない。
単に、写真。
せめて、イタドリの実物を会場内に一本、活けるなどすればいいのに・・・と思うが、ストイックまでに写真。
「単なる茂みの写真」をただただ見る、というシュールな時間だった。
(2018.01.19)
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