P to P GIFT 2018 Problem to Product Gift@d47 MUSEUM

P to P GIFT 2018 Problem to Product Gift

「デザイン」という視点で全国47都道府県の観光ガイド本を作成する「d47」。1冊で1都道府県を特集し、数ヶ月おきに新刊が出ている。

その都度、この「d47 MUSEUM」で新刊で取り上げた独自視点による自治体の紹介を行っている。

P to P GIFT 2018 Problem to Product Gift

何の変哲もないお店の看板だったり、丼だったり、古道具だったり。 「ナントカ神社が有名です」とか、「ここには名物の○○饅頭がありまして」といった話は「るるぶ」みたいな大手旅行雑誌に任せておけばいい、ウチが取り扱うのはそれとは違う、という方針がくっきりと打ち出されていて、面白い。

で、紹介しているものが「ウケ狙い」のB級品ばかりならともかく、きっちりと「地味だけど、美的なもの」が紹介されているのだから、とてもセンスが良いと思う。

そんなd47の展覧会の特別編。時々こういうのがある。

47都道府県から、それぞれの地域の特性を活かしたギフトを持ち寄り、紹介するというもの。

ギフトといっても、「P to P(Problem to Product)」と謳っていて、それぞれの地域が抱える問題を解決する手段としての商品、というテーマが設定されている。 たとえば、間伐材で作った精油とか、いずれ途絶えるかもしれない技術の伝承とか。紡績工場で出た糸くずで作った靴下、というのもあったっけ。

今風の言葉で言えば「持続可能性」とか「循環」というキーワードになるのだろう。でもこの手の「地球に優しく」というのは一歩間違えると宗教っぽいというか、胡散臭い世界にもなってしまうので、本当に加減が難しい。あと、なんやかやで「金持ちの道楽」に見えたりもする。

しかし、d47の素晴らしいのは、そういう「諸々の問題を解決するために、みんな我慢しなさい。反省しなさい。お金もいっぱい払いなさい」という説教じみた話にせず、カジュアルで、かっこ良い形で全国各地の商品を紹介している、ということだ。

さすがデザインを基軸にした雑誌のセレクトだけあって、辛気くさい商品が全くない。どれも、パッケージが綺麗だし、かといって無駄に華美ではない。 値段はさすがに激安商品と比べると高いけど、その高さの分をデザインで補っている感じがする。「見た目は悪いけど、良い物なのだから我慢しろ」という世界とは違っていて、とても興味を惹かれるし、楽しい。

「このままだと地球は滅亡する、農薬だらけの食料で食卓は破滅する」 と言う人はいっぱいいるけど、かといって「安いもの、便利なもの」に人はどうしたって流れていく。「我慢しなさい」といって、我慢できるほど人類は賢くない。 だから、「我慢できないヤツは馬鹿だ」的な方向に議論を持って行くのではなく、「我慢しなくたって環境に優しいもの」を考えるという方が建設的だと思う。

その一つの解が、「デザイン」なのだと思う。大量生産品と比べると割高だけど、それはデザインやコンセプトが良いのだから当然だ、だから妥当な値段だと思う・・・と消費者に思わせればいい。 そんなことをあれこれ考えさせられる、会場だった。

(2018.02.09)

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