
映画・ドラマ監督として有名なデヴィット・リンチによる版画の展覧会。
一芸に秀でた人が、他分野でも才能を発揮するということは結構ある。ミュージシャンが絵を描いたり。おそらく、脳の構造が凡人とは違うのだろう。それは先天的なのか、後天的なのかはわからないけども。
たとえば優秀なソムリエは、大変な鍛錬を経てワインの銘柄を目隠ししても言い当てられるようになる。逆に、凡人がただ単にワインを日々飲んでいても、銘柄当てができるほど味覚を鋭敏にすることはできない。
つまり、才能というのは努力によってもたらされる部分もある。
デヴィットリンチが天賦の才なのかどうかは知らないけれど、映像作品の制作を通じて、一般人以上の感受性を高めていったというのはあるだろう。そしてそれは、デヴィットリンチに限らず、その他の芸能人全般においても言えるはずだ。
ただ、創作活動というのは「一般的でないもの」を新たに作るということであり、文学や音楽に秀でた人で精神的に病んだという事例は過去に沢山ある。脳をうまくコントロールできるのかどうかは、本当に紙一重なのだろう。
(2018.02.09)
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