
銀座8丁目のリクルートビルの1階にあるガラス張りのギャラリー。
この建物を見るたびに、1988年の「リクルート事件」のことを思い出す。あれはまだ昭和の時代の出来事だ。
それはともかく、「デザイン」というのは極めてアート的な世界なのだけど、「アート」と「デザイン」というのは住んでいる世界が違うような印象がある。
「デザイン」の方がより商業的であるため、「アート」と比べて評価が一段低くされているのかもしれない。
あと、デザインというのは裏方稼業的な存在でもあり、あまり表に出てこない性質もあるのだろう。クライアントがいて、その希望に従ってコンテンツを組み上げていく仕事だから。 あ
れだけもめにもめて話題になった東京五輪のエンブレムだって、話題が沈静化したらすっかり「裏方的存在」になってしまった。そりゃそうだ、あれは「エンブレム」に過ぎないのだから。
この展示では、グラフィックデザインの業界紙「アイデア」が創刊号(1953年)から全て展示されている。それらをざっと俯瞰するだけで、日本におけるデザインの移り変わりというのがなんとなくわかって面白い。
面白いのだけど、どうしても「あっ、電気グルーヴが出てる!」とか、そういう「コンテンツ」の方に興味が向かってしまい、肝心の「デザイン」は忘れがちだ。空気のような存在だからだ。
(2018.02.15)
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