茶懐石のうつわ 併設 季節の書画@畠山記念館

畠山記念館

初訪問の美術館。

畠山記念館

最寄り駅が高輪台で、そこから住宅街の中に潜り込んだ路地の奥にある。「何かのついでに」立ち寄ることはまずないエリアだし、扱っているテーマが「茶道に関するもの」という施設なので、ますます縁遠かった。

僕はやたらと様々なジャンルのアートを見、ギャラリーを巡っているけど、あれは「ハシゴ」ができるからだ。ギャラリーというのは密集していることが多く、「こっちのギャラリーに行くなら、ついでにこのギャラリーにも寄ろう」となる。結果的に、興味がさほどない作品にも接する機会が増え、それは刺激的な体験になっている。

でも畠山美術館はそうはいかない。 ちなみにこの日僕は「原美術館@御殿山」→「物流博物館@高輪」とハシゴした後、白金台の畠山記念館にたどり着いたのだけど、かなり面倒くさかった。もうこのルートは勘弁してほしい。

茶懐石のうつわ 併設 季節の書画

そんな施設だけど、展示内容は素晴らしかった。

はっきり言って、地味。地味過ぎる。展覧会タイトル通り、茶懐石のうつわを展示しているのだから当然で、漆塗りの、黒や朱色の椀が並んでいるだけだ。

しかし、これがいい。素晴らしい。 多分、無印良品やApple製品を見てクールだと思うのと同じなのだと思う。余計なものをそぎ落とした世界観が、とても美しく見える。特に最近、陶磁器の派手な絵付けとか西洋の器をたくさん見てきたので、こういう地味なものがむしろ圧倒的にさえ感じる。

装飾が綺麗なのはもうわかったよ、っていう食傷気味だったんだけど、そういうものを一切そぎ落とした迫力。

螺鈿細工がちょこっと入っている器なんて、もう。「そうきたか!」みたいな。ほんのちょこっと、細工がされているだけなんだけど、器自体が地味だからインパクトが大きい。

地味さが信条とも言える茶懐石のうつわだけど、煮物椀と酒杯は若干派手でも許されるようだ。派手といってもそこまで露骨じゃないのだけど、「えっ、こんな柄が入っちゃっていいの!?」と思ってしまう。自分の頭が、この短時間で「地味モード」に一気に入ってしまっているのがよくわかる。

「ははーん、茶懐石というのは、漆塗りの地味な椀を使うのだな」と勝手に納得していたのだけど、備前の徳利や白磁の器とかあるし、いろいろなパターンがあるようだ。そう簡単に全貌を学ぶ、ということはできないっぽい。

はっきりいって、おそろしく地味な展示だ。展示数は少ないし。これは普通の人が見てもクッソつまらないと思う。古伊万里やロイヤルコペンハーゲンといった華やかな絵柄に食傷気味となった人が見てこそ、感銘を受ける世界だと思う。 でも、無印良品の世界観が好きな人なら、いきなり楽しめるかもしれないけど。

似たような器は、温泉旅館の夕食で見かける。 でも、やっぱり旅館なので器のクオリティは「まねごと」にすぎず、博物館に展示されているものとは明らかにレベルが違う。 そういう「安い食器」という良い対比物を旅行の都度見ているし、食べるのに使っているからこそ、名品の凄みがわかるんだと思う。

(2018.03.04)

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