レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル@森美術館

僕はよく知らなかったのだけど、マスコミで取り上げられたっぽくて大人気の展覧会だった。

子連れもいるし、カップルでの来場が特に多い印象。森ビルの展望台ついでに訪れたにしては客が多い。あと、インスタ映えを狙っていると思われる若い女性集団も多かったかな。

端的に言ってしまえば「トリックアート美術館にあるような、五感を錯覚させてびっくりする作品」。しかし、トリックアート美術館の展示が「アート」というジャンルよりは「エンターテイメント」のベクトルなのに対し、こちらの展覧会はきっちり「アート感」を出しつつ、サブタイトル通り「見ることのリアル」を追求しているのが楽しい。

会場入って冒頭、ほぼ真っ暗な部屋がある。そこにはぼーっと薄明かりの手こぎボートらしきものがいくつもぷかぷか浮いていて、揺れている。幻想的な光景で、インスタ映え狙いの女子は既にここで大興奮して写真を撮りまくっている。 僕はそれよりも、「よくもまあこんなビルの上に、プールをこしらえたものだな。重量は耐えられるのだろうか?」とそっちの方が心配だった。写真は撮ったけど。

プールの上にボートが浮いて揺れているというのがどういうアート的意味があるのかよくわからなかったけど、静かなひとときが過ごせて良かった、いいじゃないかこの展覧会は、と思って部屋を後にした。

で、びっくりしたのはその時だ。部屋を出たところに作品の解説パネルが貼ってあったのだけど、先ほど見た「プール」はプールでもなんでもなかったというのだ。ボートを絶妙に揺らすことで、さもそこに水面があるかのように錯覚させているだけなのだ、と。えー、マジでか。水面にボートの明かりが反射していたぞ?真っ暗な場所とはいえ、よくぞまああそこまで錯覚を与えられたものだ。

正直に言う。僕はこの「レアンドロ・エルリッヒ展」について何一つ予備知識が無かった。トリックアート的なことをやる人だとさえ知らなかったので、なおさらこの作品(「反射する港」というタイトル)を見て面食らった。

展示後半で、「金沢21世紀美術館」名物の、「プールの中に人が入っているように見える」作品(「スイミング・プール」)も彼の作品だと知った。なるほど、そういうことか。

これは一人で訪れるには勿体ない。まさにカップル向けの展覧会だ。 面白いし、ワクワクするし、不思議だし、写真撮影のしがいがあるし(館内撮影OK)、最高だと思う。もう展覧会は終わってしまったけど、また機会があれば全く同じ内容でも見直したいくらいだ。良いものを見た。

(2018.03.16)

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