
鉄道写真というのは、周囲の自然や田畑といった人工建造物、そして金属の塊である鉄道というコントラストが美しいものだ。
よく撮れた写真というのは、ハッとさせられることがある。
また、「鉄道が走る」ということは、その背景にある沿線住民の暮らしや歴史にまで思いを馳せることであり、一枚の写真であってもいろいろ感慨深いものがある。
しかし、どうしても鉄道写真と聞くと、「撮り鉄」と言われる人達の一部におけるマナーの悪さが真っ先に思い浮かんでしまい、一瞬イヤな印象を抱いてしまう。胸くそが悪い逸話があちこちに転がっているからだ。
「マナーが悪い人はごくわずかですよ、だいたい、どの世界にだってマナーが悪い人はいるので、撮り鉄に限った話ではないですよ」 ということは重々わかっている。なので僕は偏見なく撮り鉄の趣味は評価している。でも、「鉄道写真」を見た瞬間に一瞬だけ頭に「ごく一部の人によるお行儀の悪いエピソード」が浮かんでしまうのは隠しがたい事実だ。
だから、本当に惜しいなあ、と思う。
今回の展覧会は、お行儀が悪いわけがないであろうプロのカメラマンによる、広大な中国での鉄道写真だ。本当に美しく、蒸気機関車ならではの力強さが楽しめる。
なのに、「鉄道写真」と聞いた瞬間に、ぽっと頭に浮かぶイヤなイメージ。だからこそ、繰り返しになるけれど本当に惜しいなあ、と思う。
(2018.03.16)
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