
山梨県の清里フォトアートミュージアムに収蔵されている作品のうち、写真家が35歳のときまでに撮影したものだけを集めた展覧会。
荒木経惟や植田正治といった日本の作家だけでなく、ロバート・キャパやアンセル・アダムスといった世界の巨匠の作品もある。ただし、「35歳までの作品」ということで、老成していった大作家たちの若かりし頃の荒々しさを見ることができる。
・・・のだろうけど、それぞれの写真家の作風についてあまり知らないので、見ていて「おお!?」という驚きや興奮は特になかった。
音楽の世界でも、「プロデビューする前の、アマチュア時代の音源発掘!」なんてのは値打ちがあったりするものだ。でも、それはそのミュージシャンのことについて詳しくて、好きな人でないとあまり価値はない。
それと一緒。
本当なら、「あの作家もこの頃はまだ荒削りだね、方向性が定まっていない気がする」なんて言えるくらいの知見があると良いのだろうけど、それがないので神妙な顔で写真を見るしかなかった。
それよりも面白かったのが、この「清里フォトアートミュージアム」が行っている「ヤングポートフォリオ」という取り組みだ。
作家が35歳までという制約のもと、毎年ミュージアムが永久保存するための写真を公募し、買付を直接行っている。1枚あたり3万~10万円。35歳定年になるまで毎年応募しても良いので、たとえば20歳から35歳まで15年毎年作品を買い取ってもらえる可能性もある。内容がよければ、1枚でなくても2枚、3枚と買ってもらえる。そして、もちろんミュージアムに展示される。
僕があと10歳若ければ・・・いや、無理だけど。
(2018.04.01)
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