古伊万里 華やぎのうつわ@松岡美術館

白金台の高級住宅街の中にある私設美術館。貿易商をはじめ手広く商売をやっていた松岡清次郎氏の個人的コレクションを一般公開した美術館だ。

私設で、なおかつ一世で蒐集したものなので小さな場所なのだろう。しかも、白金台というハイソな場所だから土地だって狭いだろうし・・・と思っていて、存在は知っていてもこれまで訪問する機会がなかった。何しろ、都心とはいえ場所が不便だ。山手線の目黒駅から歩いた場合、15分くらいはかかるんじゃないか、という場所にある。

今回初訪問。で、びっくりした。でかい!

松岡氏の私邸を美術館に改築したものだ、と聞いていたので、完全に油断していた。この人、ボロ儲けしたんだな。いや、「ボロ儲け」というのは表現が悪い。商売上手だったのだろう。

白金台に自宅があって、それをのちに美術館に建て直すことができたというだけでも相当なものだけど、さらに「一般公開するに値する美術品をたくさん収蔵できた」財力。しかも、一度蒐集したものは売り払うことがなかったという。

美術愛好家でよくあるパターンは、「飽きがきた作品を売り、そのお金で新しい作品を買う」というものだ。そうすることでアートシーンではセカンダリマーケットが充実し、結果的に作家の価値が上がったり、作品を買いやすい市場が形成される。「作品を売る」ということは、決してネガティブなことではない。むしろ、新しい作品に出会うために、どんどん「自分のポートフォリオの中で死蔵されてしまった作品」を売りにだしたほうがいいくらいだ。

しかしこの松岡氏は、ひたすらコレクションを増やしていったというのだから、つくづく財力がすごいということになる。

美術館内は、部屋ごとにジャンルが分けられ、様々な美術品が展示されている。ガンダーラのものをはじめとした仏像がずらりと並んでいる部屋に入ったときは、ぎょっとした。いろいろな方面に興味がある人だ。

かとおもったら、今回の企画展のような古伊万里も収集していたり、中国の書画があったり、フランスの絵があったり、なんなら、それぞれ1ジャンルずつで小さな美術館が作れてしまうくらいのボリュームだ。改めてこの人、すげえ。

ただし、コレクションの内容が上質なのかどうかは、僕は全くわからなかった。これだけ美術鑑賞を繰り返しても、さっぱり目が肥えてこないのは困ったものだ。

(2018.04.01)

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