写真発祥地の原風景 長崎@東京都写真美術館

その名の通り、江戸末期の長崎の風景写真。

芸術的な意味合いの写真ではなく、資料価値が高いものだ。

なので、せっかくなので、写りこんでいる建物の構造とか、道路の作りとか、人のみなりとか、身につけている装飾品とか、そういう一つ一つのパーツについて、時代考察というのを見てみたいものだ。

そういうのは歴史の授業では教えてくれない。そして、時代劇でも教えてくれない。昔の錦絵を見ても、誇張表現が混じっていてどれほど正確なのかわからない。なので、写真と、そこからわかるいろいろな「当時の事情」を総合的に学びたくても、なかなかそういう機会がない。

話がちょっとずれるが、今度日本史の学習指導要領が大幅改訂され、歴史上の偉人である坂本龍馬や武田信玄が教科書から削除される可能性があるとのこと。それに対して憤慨している歴史ファンがたくさんいるけど、僕はこの方針に大賛成だ。偉人について学びたければ、個人が歴史小説を読むなりして勝手に学べばいい。今の日本史は暗記だらけで、「過去から教訓を得て、今後に活かす」という本来の歴史の趣旨から外れすぎている。もっと体系的に、シンプルに日本の紆余曲折を俯瞰して学ぶべきだと思う。

だいたい、学ぶことが多すぎて、結局近現代史は時間切れになって省略されるか、駆け足になってしまうのが現状だ。未だに日本人が過去の大戦の総括を恐れている証拠でもある。

日本史を学ぶ際、軸がゴチャゴチャしすぎてわけがわからなくなる。政治の歴史、経済の歴史、文化の歴史と縦軸を作って、それに沿って別々に教えた方が良いのではないか?と思う。そして、時々それぞれの縦軸同士を連携させる統合歴史教育も混ぜつつ。

ちなみに、「平安女子の楽しい!生活(岩波ジュニア新書)」という本を読んだことがあるが、これは僕のコンセプトにあった非常に面白い本だった。「源氏物語」や「枕草子」といった平安時代の書をもとに、当時の貴族子女たちがどのような家に住み、どのような日常生活を送っていたのかを解説している。十二単の構造、髪の手入れのしかた、寝殿造りでの暮らしぶり、などなど。なるほど!あの時代はそうだったのか、と感心させられる。

逆に言えば、そういう「平安時代の暮らし」なんて殆どわからない状態のまま、日本史は「はい、貴族は寝殿造りに住んでました。当時の名著で枕草子や更級日記というのがあります」と暗記させるわけだ。時間の都合上仕方がないけれど、乱暴すぎる話。暗記科目が減って、もう少し厚みのある授業になれば良いのだけど・・・まあ、すぐには無理だろうな。「そういうのは大人になって、生涯学習講座で学べ」って言われるのがオチか。

(2018.04.01)

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