
武家社会の中でそこら中にいたへっぽこ侍が持っていた刀がどういうものなのか、それと対比して見てみたいものだ。100円ショップで売られている、安物のステンレス万能包丁と、高い鋼の包丁との違いくらい明白なものなのだろうか?
鑑賞している人たちは、よその博物館や美術館にいるのと人種が違う。前屈みになって、ものすごく熱心に刀を観察している。まるで昆虫の観察でもしているかのようだ。ルーペのようなものを取り出して、拡大して見ている人もいる。多分、そうやって間近で見てこその世界、っていうのが刀にはあるのだろう。
僕はというと、せっかく入館料を払って中に入ったのに、「どれもみんな同じ刀に見える」という軽薄な理由とともに5分くらいで退去。刀の良さがわかるようになるまで、あと100回は通わないとダメだろうな。でも、新しい世界を垣間見ることが出来て、楽しい時間だった。
(2018.04.12)
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