ミケランジェロと理想の身体@国立西洋美術館

さすがに巨匠ミケランジェロの作品はわずか2点(だったと思う)で、それ以外の露払いとなる作品がたくさん並ぶ。

僕はこれまで、あまりギリシャ風の全裸大理石彫刻っていうのは良いと思ったことがない。特に首から上だけのやつ。白目を剥いていて、無表情でなんだか気持ち悪い。

しかし、今日改めてしこたま彫刻を見て、「ああ、かっこいいな、すごいな」と感心した。やっぱすごいわヨーロッパ。

これまでも、美術館や博物館で海外の古代文明の展示をみるたびに「それに比べて日本ときたら・・・」と比較し、嘆息していたものだ。今回もまさにそう。なにしろ、紀元1世紀くらいの彫刻が、なんとも精巧に作られているからだ。しかも、躍動感あふれるポージングで、骨格をちゃんと理解したうえで作られているのがよくわかる。

そのとき日本では、ハニワを作るのがやっとだったわけで。この差は一体なんなんだ?・・・いや、そりゃあ島国ですし、しょうがないですわ。

ミケランジェロと理想の身体@国立西洋美術館

それにしても面白いのが、こういう彫刻はみな「カッチョイイ身体」をしているということだ。「神は完璧な存在なので、美しさにおいても完璧でなくてはならない」という信念のもと、グッドシェイプしていらっしゃるのだった。包茎だけど。

一方日本はというと、七福神に代表されるように「ふくよか」な神様・仏様が多い。マッチョなのは、仁王のように怒るのが芸風の方に限られてる。どうも、「偉い人はむしろマッチョであってはいかん」みたいな雰囲気がある。

おそらく、昔の日本というのは食生活の影響もあってムキムキマッチョが少ない、という事情もあったのだろう。

ちょうど今日、「ローマ時代の剣闘士」の食生活に関する記事を読んだばかりで、そういうことがとても気になった。その記事曰く、「剣闘士というのは映画『グラディエーター』で描かれているようにマッチョのイメージがあるけれど、実際は自分の身を守るために敢えて炭水化物中心の食生活をしていて、ぽっちゃりしていたらしい」というものだ。

(2018.06.30)

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