御即位記念特別展「正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―」@東京国立博物館

あまりに渋い展示内容で、ニヤニヤしてしまうくらいだった。

何しろ、仏教美術とも違い、派手さが全然ない。しかも奈良時代の宝物が多く、技術的には素朴なものが多い。

これは、子供連れだと速攻子供がグズる内容だ。大人の楽しみ。しかも、知的な大人だけが楽しめる内容だ。

もうね、こんなのを見ちゃったら、西洋画とか鎌倉期の仏像とか、チャラく感じてしまう。今回の展示は、立体感があまりないものが多く(鏡とか目録とか)、ざーっと歩きながら流し見というわけにはいかないものばかり。でもむしろそれが味わい深い。

極めつけは「蘭奢待(らんじゃたい)」という名前で知られる香木。織田信長や足利義政が権力を傘にして一部を切り取ったことで知られる、香り高い木。ただ、そういう注釈がつかないとただの木材にしか見えない。いやあ、いいわこういう地味さ。

後半の展示は、螺鈿細工が施された五弦琵琶などが展示されていて、ちょっと派手さが出てくる。でも、だとしても地味だ。

心の平安と得るために、じっくりと時間をかけて鑑賞するのに向いていると思う。むしろ、このご時世だからこそ、こういう展示は好ましく感じた。案外気に入った。

(2019.10.26)

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