カール・ラーション@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

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カール・ラーション@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

新宿から西に向かう用事があったので、立ち寄った美術館。

カール・ラーション、という名前がつけられているけど、それがなんだかさっぱりわからない。人の名前なのか、ある一時の芸術運動の名前なのか、それとも地名なのか。

そのよくわからなさは、会場の半ばくらいまでつづいた。何しろ、絵が遭ったかと思ったら、服が飾ってあったり、家の紹介があったりしたからだ。

もちろん、会場入口にある、主催者側からの挨拶と展覧会の概要説明文を読めば、これが何の展覧会なのかは理解できる筈だ。一応僕も、その説明には目を通してはいるのだけど、これっぽっちも頭の中に入ってこないのが常だ。最近じゃ、「見るだけ無駄」とさえ思っている。

結論から言うと、カール・ラーションというのは画家の名前。彼と、彼の家族が移り住んだ家、通称「リッラ・ヒュットネース」を紹介する展覧会だった。

カールはこの家で多数の牧歌的な、暖かみのある家族の風景を絵に描いた。その絵の中で登場する家に置いてある家具やインテリア、テキスタイルは奥さんの手によるもので、それらがスウェーデンにおけるインテリアに深く影響を与えたという。

そんなわけで、家の間取りが紹介されているやら、服が紹介されているやら、映像やら写真やら絵やら、といろいろな紹介がされているのだった。

カール・ラーションが描いた作品は、「自分ちと、自分ちの家族」というスゲー狭い世界のものが多いわけだけど、それがすごくいい。僕はとても好きになった。

カールは浮世絵の影響を受けたようで、そのせいもあってか、西洋画にしては珍しい遠近感のない絵を描く。もちろん遠近法は使っているのだけど、カメラの望遠レンズで撮影した写真のように、背景と手前の対象物との距離が詰まった感じになって、のっぺりとした描かれ方になっている。でもだからこそ、日本人にとってはすごく親しみのある、日本人好みの絵だと思う。

カールの家「リッラ・ヒュットネース」は、古民家を増改築して作り上げていったものだ。外観は赤い壁で、楳図かずおのまことちゃんハウス張りだ。でも、全然いやみな色彩ではなく、ああ、こういう家っていいなあ、と楽しく思えてくる雰囲気がある。

これから家を買おう、家庭を築いていこう、と考えているカップルは、この展覧会を見るといい。「こういう家を作りたい!」という意欲が湧くと思う。または、意見が相違してケンカになるかもしれない。

僕は最近、極力素っ気ないインテリアにしようとして、無印良品的な世界観を部屋に取り入れている。カールの家とは全然方向性が違うけど、暖かみがある家というのも良いものだな、と思った。ただし、カールの家にはお手伝いさんが住み込みでいたようなので(間取り図を見ると、お手伝いさんの部屋がある)、そういう人がいてこその、あれもこれもできるんだと思う。

アニメとか日本画にも通じるような描き方がされた絵をとても気に入ったので、絵はがきを買いたかったのだけど、そういうのに限ってミュージアムショップには置いていない。代表作と呼べるようなものだけ。でも僕は、代表作にはあまり興味がないんだよな。

「展覧会に行ったら、絵はがきを1枚買って帰ること」というルールを自分に課しているので、とりあえず1枚買ったけど、欲しいものを買えなかったのでちょっと残念感が残る。

(2018.10.14)

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