
ワシントンにある、ダンカン・フィリップスの蒐集作品を展示する「フィリップス・コレクション」の作品群。
美術館が学術目的で蒐集するのと違って、個人的趣味に基づいて集められた作品群を見る、というのは面白いものだ。ただし、自分と趣味が合わず、楽しくない展覧会もある。当たり外れも、面白さのうち。
フィリップスは、パステルカラーの作品が比較的好きなようだ。ピエール・ボナールの絵が多く収蔵されていた。僕好みだ。
一方で、ジョルジュ・ブラックのような、ピカソ的な絵で暗い色を主体とした作品も集めていて、これもまた僕好みだった。
後半、別の蒐集家から譲り受けた作品も紹介されているのだけど、明らかに作品の毛色が違っていた。なるほど、やっぱり蒐集には癖というのがあるのだな。
最近、美術展に行ったら「本日一番気に入った絵の、絵はがき」を買うことにしているのだが、絵はがきがそもそも売られていなかったりして、悲しい思いをすることが多い。
今回はたっぷり絵はがきがあり、自分が一番好きだと思ったジョン・コンスタブル「スタウア河畔にて」も絵はがきになっていた。しかし、手に取ってみてがっかり。絵はがきサイズになると、ゴチャゴチャしていて何が描かれているかよくわからない、という絵になっていた。
この作品に限らず、「実物は素晴らしいと思ったのに、絵はがきは全然別物」というのが多いから悩ましい。結局、ブラックの絵はがきを買った。
(2018.10.19)
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