
「大規模な、破滅的な災害」を意味する「カタストロフ」をテーマとした作品展。
単に「LOVE&PEACE!」と叫んでいればよい、というものではない、というのは誰もがわかっている。そして、この災害は人災ではないのか、行政の怠慢が生んだのではないか、と批判を繰り返す、というのは不毛である、とも感じている。
じゃあアートは災害に対して何ができるのか。チャリティなのか、新たな創作なのか、それとも人間の無力さを痛感して無言になるのか。
そういう葛藤が垣間見える、展示だった。
被災地や被災者に対して、「夢と希望を与えるべき」という、べき論は僕は苦手だ。そして、リベラルな論調に持っていけば作品っぽく仕上がる、というのも苦手だ。たぶん、僕が芸術家だったら、何も作品を作れなくなると思う。
だからこそ、カタストロフをテーマとした作品が並ぶこの展覧会は、見応えがあった。
(2018.10.21)
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