没後160年記念 歌川広重@太田記念美術館

没後160年記念 歌川広重@太田記念美術館

会期最終日、しかも日曜日だったということもあり、会場内はすごい人だかり。お金を払って中に入ったけれど、すぐに退出しようかと思ったくらいの来場者だった。

浮世絵・錦絵というのは、西洋画と比べてかなり小ぶりな作品だ。しかもそのサイズの割には恐ろしく緻密に作られていて、間近で凝視しないと作品を楽しめない。

人ごみの頭の隙間から、遠くから作品をチラ見して済ませるということは難しい。これで大して面白くない展覧会なら、適当にざーっと流して見ておしまいにするんだけど、なにせ広重の作品は面白いからなぁ。面倒くさい、とぼやきつつ、時間をかけて見て回った。

広重に限った話ではないけど、浮世絵というのは「何やねんこの大胆な構図は」と驚き呆れる作品がある。今回も、そう。橋を大名行列が渡っているという絵なのだけど、肝心の大名行列が殆ど見切れてしまっていて、行列の先頭だけがわずかに描かれている。でもむしろそれだからこそ、この後続く長い列を想像させ、絵の深みが増している気がする。すげえなあ、と思う。西洋の絵とは違うトンチのきかせようだ。

外国人観光客もとても多い。東南アジア系の人はあまりいないようで、西洋の人が多いようだった。

浮世絵は客が少ないときに、静かに鑑賞したいものだ。館内は薄暗いし、絵は小さい。老眼が始まった僕には結構しんどい。

(2018.10.28)

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