作品よりも、作品を前にして「これは一体何を意味しているのだろう?」と困惑している客を見るほうが面白かった気がする。
ギャラリーの半分は、噴水のインスタレーション。水がじゃばじゃばと流れている。これに一体何の意味があるのか、と客はウロウロし、困っている。僕もそう。
しかし、噴水の前に設置されているタブレット端末がカメラ状態で画面表示されているのだけど、その画面に映されている噴水は、クリスマスツリーの輪郭のように噴水の水がジグザグになって見える。
「自分が見ているものは本当に正しいのだろうか」という問いかけ、というのがこの展覧会のテーマらしいのだけど、ええと、これを見てどうすればいいのやら。
タブレットに表示されている画像が拡張現実を使った作り物なのか、それともカメラのレンズ越しに写すと、こういう見え方をするものなのか、なんだろう?
そういうのを客に考えさせるところも含めての、作品なのかもしれない。
(2018.11.01)
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