温泉 ~江戸の湯めぐり~@国立公文書館

東京国立近代美術館のすぐ隣にある国立公文書館。

存在は知っていたけど、中に入ったことがなかった。今回、横を通り過ぎた際に「温泉」に関する企画展をやっている、という看板が出ていたので、初めて中に入った。

江戸時代に描かれた、箱根や草津といった温泉地の様子を記した書物などがたくさん展示されていて、面白い。

きれいに原本が保存されているのだが、一体どうやってこういう「当時の観光ガイド」的な本が保管されていたのか、これまでの経緯も気になる。

大抵どの絵も、人が大勢描かれていて、賑やかな様子だ。温泉地が本当に賑わっていたのか、それとも「賑やかに人を描くこと」が当時の絵としては重要なことだったのか、どこまでがフィクションなのかはわからない。

昔から、「洛中洛外図」みたいに人だらけの絵というのは多くある。人が多い絵の法羅偉い、とでもいわんばかりだ。

一方、今の観光ガイドは、むしろ人気(ひとけ)が少ない時に撮影し、肖像権に配慮したり、俗っぽさを排した静かな空気感を演出した写真が多い。

わちゃーっと人が大勢写っている写真を見て、「ここに行きたい!」と思う人は、今はあまりいない。でも昔は、人が大勢いる場所というのは、楽しい「盛り(さかり)場」という認識で、むしろ心ときめいたのかもしれない。

入浴の光景も描かれているけど、当然のごとく男女混浴だ。狭い湯船にギュウギュウ、男女が詰まって入浴している様子。今じゃ考えられない世界なので、改めてびっくりする。

倫理観とか、貞操観念とか、そういうのって普遍的なようでいて、わずか数十年もあれば変わってしまうのだろうな。

(2019.02.27)

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