
仏像を見る、というのはおもしろくないことだと思っていた。少なくとも、修学旅行で奈良・京都に行った学生の頃は、そうだった。
しかし、今仏像を見ると、とてもおもしろい。表情を見るだけで、いや、仏の目線を見るだけでも楽しい。おそらく、仏教のことをもっと勉強していれば、より興味深く観察できるのだろうけど、そういう知識がなかったとしても、おもしろい。

ギリシャやローマの彫刻は、「ああ、美しいですね、すごいですね」で終わってしまうのだけど、日本の仏像はもっと内面に訴えかけるものがある。これが宗教の力なのだろうし、日本人の琴線に触れるように敢えて作ってあるのだろう。

しかし、ガンダーラあたりの彫りが深い仏像を見ても、タイの仏像を見ても、やっぱりギリシャ彫刻同様の「ああそうですか」感がある。すごく精密に作られていて驚かされるけど、心にはあまり響かない。
(2018.11.10)
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