北川フラム×津田大介【ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMA #14】「アートはなにを救うのか ーー『情の時代』と芸術祭の行方」@ボルボスタジオ青山

北川フラム×津田大介【ゲンロンカフェ at VOLVO STUDIO AOYAMA #14】「アートはなにを救うのか ーー『情の時代』と芸術祭の行方」@ボルボスタジオ青山

「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」や「瀬戸内国際芸術祭」のディレクターを務める北川フラムと、来年のあいちトリエンナーレで芸術監督を務める津田大介によるトークイベント。

特に外国からのボランティアによって支えられている地域芸術祭の営みや、クレーム対応に関する話がとても興味を惹いた。

地元自治体の協力と不可分のイベントとなるため、展示作品に刺激的な内容が含まれていると、すぐにクレーム電話が殺到してネットでも炎上するのだそうだ。

「芸術だったら何をやっても許される」と開き直るアーティストは僕は好きではないが、正義ぶって「いかがなものか」と物申し、クレームを入れる人がいるというのはもっと残念なことだ。
昔からそういう人は一定数いるのだろうけど、今はTwitterやFacebookがあるので、これまで見えていなかったものが可視化される。そうすると、雪だるま式に批判の声が強まるという状況はあるだろう。

とはいえ、2017年の札幌国際芸術祭で批判/炎上したアート作品を見て、「ああ、これは批判されるよなあ」と思った。マネキンの生首がずらりと軒先に並んでいて、その頭から植物が生えているという薄気味悪いものだった。作った側は高尚な考えがあったかもしれないが、こういうのは税金を投入して、さらに地元住民の敷地をお借りして、やるようなものではないと思う。

アートというのは現代アートにしろ昔からのアートにしろ、一歩間違えると「この素晴らしさを理解できない愚民どもめ」みたいな選民思想が忍び込んでくる。そこで判断力が曇ってしまわないようにするのは、大変に難しい事だと思う。

(2018.12.05)

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