ネットの額縁店で、額装用のマットを探す。どうもピッタリはまるサイズはなさそうなので、特注してもらうことにした。特注、といっても特別価格になるわけではない。この手のマットは、サイズ微調整が当たり前らしい。送料別で、600円もしなかったと思う。
届いたマットは、窓の部分が斜めに切れ込みが入っていて、上品感がある。さすがプロの手によるものだ。シロウトではマネできないし、シロウトがマットを作ると綺麗にはならなかっただろう。
あとは額縁だけど、これも結構悩んだ。僕の家は直線を多用したインテリアデザインになっていて、できるだけシンプルな額にしたかった。細身のフレームで、直角が希望だ。でも案外、それがない。
昔の絵画の額縁みたいな、生クリームを絞り出したかのようなコッテリした額はもってのほかで、シンプルなものがいいんだ。でも、気に入ったものが見つからない。シンプルな縁でも、曲線デザインがあったり、幅が広かったり。
額縁店に実際に足を向けて探してみたけど、むしろそういうお店こそいいものがなかった。古典的な油彩画や賞状を飾る人向けのお店だからだ。
実際、僕が額縁をあさっている間、隣にいたサラリーマン客たちは
「折角絵をプレゼントするんだから、派手な額の方がいいよなあ。ガハハハ。金にしよう、できるだけ派手な金がいい」
なんて会話をしていた。どうやら時期的に、退職される方への記念品として、絵を贈ることにしたようだ。
結局、白色の額縁をネットで買った。アルミ製で軽やかだ。白い額だと、絵や壁と同化してしまってよくないな、もう少し違う色がいいな、と思ったのだけど、案外額縁って色のバリエーションがないものだ。選択の余地がなかった。
オギハラさんの二つのドローイングをはめ、完成。ポストカードっぽく見えていたイラストが、俄然アート作品に昇華した瞬間だった。感動した。

一方、ほぼ同時期に、行きつけのカフェのイベントで買わせてもらった作品がある。みすみしょうこさん作。こちらはB4サイズで、すでにマット付き。B4の額を探すのはさほど難しくないので、こちらも細身の直線的なフレームを買って、ぴったりとはまった。
ちょっと大きいので、置き場がない。ひとまずベッドの枕元に飾ってみた。寝ている最中に地震が起きたら、ぱんだの絵に潰されて僕は死ぬんだ。
物がなくて殺風景な家に憧れていたのに、だんだんアート作品が増えてきた。賑わいがあって嬉しいけど、あんまりやりすぎないようにしないと。
(2019.03.30)
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