ねぎし三平堂

台東区の書道博物館は、中村不折が蒐集した作品が展示されているのだという。駅を降りたら目の前がホテル街、という下世話な街・鶯谷を歩く。

ホテルだらけの街だけど、路地裏にはしれっと民家があったりする。欲望渦巻く街の印象だったけど、案外生活感がある街だった。

しかし、その路地裏から、肌の露出が多い綺麗なおねーさんが出てきたりして、「ややっ!?」と思わず目を奪われていると睨まれる、なんていう展開もあったりする。いや、睨まないでくれよ、見られるような格好をしているのはアンタやんけ、と思う。

それはともかく、書道博物館は9月まで改装中のため閉館していて、途方にくれた。しかし、書道博物館の真向かいには正岡子規の家がある。ここを見学すればいい。

・・・と思ったら、正岡子規の家が開館しているのは、午前中だけだった。えー。午後はやっていないのか。ここも断念。

後で知ったのだけど、ここの開館時間は10:30-12:00、13:00-16:00で午後もやっていた。スマホの小さな画面で確認したので、見落としてしまった。まさか中休みがあるとは。

さらに予備の案として、書道博物館の裏手に「ねぎし三平庵」があるというので行ってみた。三平といえば、おそらく平成の喜劇王・林家三平のことだろう。

訪れてみると、建物はまさに海老名家だった。うお、根岸に住んでいるとは聞いてはいたけど、こんな場所だったのか。ということは、この入り口近辺にいれば、泰葉女史とか見ることができるのだろうか。それは無理か。

そんな個人宅の傍らに、三平庵がある。専用の入り口があり、入り口前に木戸がある。常時木戸番がいるわけではないので、呼び鈴を鳴らして出てきてもらう必要がある。入館料は500円だったか。

階段で3階まで上がる。家の3階部分が、林家三平の展示スペースになっている。バリアフリーではないので、林家三平をリアルタイムで見たご年配の方には、ちょっとキツいかもしれない。

僕自身は、林家三平(先代)は全く縁遠い。もちろん、いろいろな映像や逸話は見聞きしているけれど、過去の人という印象しかない。

しかしそれでも、展示内容はずいぶんと面白かった。客が僕以外ゼロだったこともあって、結構ゆっくりと展示を楽しめた。

というのも、歴史上の人物、というほど古くはないし、現在生きている人ほど新しくもない。昭和の高度経済成長期ならではの豪快なエピソードもあるし、資料がほどほど残っている。寄席の出演者を見ると、「あ、談志や小さんがこんな順番で高座に登っているのか」と僕でも面白く感じる要素がある。ちょうどいいレトロ感なのだろう。

これがもし、ダウンタウンの松本人志の博物館ができたらどうだろう?たぶん、時代が新しすぎて、情報量が多すぎて、ここまで面白くはならないだろう。出演した台本とか逸話とか、記録として残っているものが膨大すぎるからだ。情報量があまり多すぎると、その人となりを神格化しづらい。途切れ途切れくらいの情報量が、一番見る側がワクワクするのだと思う。

(2018.07.04)

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