第43回三菱商事アート・ゲート・プログラム@三菱商事ビル

第43回三菱商事アート・ゲート・プログラム

3か月に1度の開催となる、美術を学ぶ学生など若手作家の作品のオークション。

主催者の肩書を見ると、三菱商事内でCSRを担当している部署によるものらしい。「CSR=企業の社会的責任」という意味だけど、若手美術作家を支援するということも三菱商事のミッションと捉えているのが素晴らしい。

第43回三菱商事アート・ゲート・プログラム

今回50以上の作品が登場したが、事前の検討を通じて僕は何も買う予定がなかった。家にもう飾るスペースがなくなってきたので、1作品買えば何か既存の1作品が脱落する、という「勝ち抜き戦」に突入しているからだ。

ベッド脇の壁はがら空きだけど、さすがに地震でアート作品につぶされて死ぬのは僕の本望ではない。または、掛け布団をバサバサと畳んでいる最中に作品に直撃して落下、破損とか。

そんなわけで、「まあ、出せたとして3万円まで」という、冗談みたいにやる気のない状態でオークションに参加した。でも、そういう状況だからこそ、

「この作品を家に飾ったらどういう部屋になるだろうか?」
「この作品にお金を払う価値を、自分は見出せるか?」

ということを冷静に考えることができ、また一つ経験値が上がった気がする。

とはいっても、「3万円まで」のつもりだったのに、7万円までパドルを上げ続けてしまった作品があったけど。オークションというのは、ついつい気合が入ってしまう。

オークションに連続出場している作家さんは結構いるので、「ああ、あの作家さんは今回こういうアプローチなのか」などと感心させられるし、作家の作風をだんだんと理解できてきて、それもまた面白い。

また、前回僕が落札した佐葉さあやさんとも再会し、ちょこっとお話ができたのもよかった。複合的にあれこれ楽しめるのがこのオークションだ。

我が家に飾ってあるアート作品のうち、奈良美智のポスター絵のような「絵としては素敵だけど、エディションフリーなのでマーケット上での価値はほぼない」というものがある。いずれはこういったものを、若手作家さんの作品に置き換えていきたいと思っている。

ただ、アート作品を家に並べて、生活が豊かになるわけじゃない。身の丈に合わない美術収集は、どんどん生活を貧しくする。若干懐疑心と不安感を持ちつつ、「でも、ひょっとしたら買っちゃうかも」くらいの、今のスタンスがちょうどよいバランスだと思う。

(2019.07.06)

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