
2か所の会場にわけて開催された、オリジナルな風呂敷展覧会。
たくさんの絵柄の風呂敷が吊り下げられている。

最初は面白い試みだ、と思ったけど、見ているうちにだんだん退屈になってきた。
「こんな柄にしてみましたけど、どうです面白いでしょう?」という作家の心が透けて見えているような作品だったり、そもそも風呂敷をどういう演出で魅せるのが良いのか、あまり練り込まれないまま作ったのかな?という作品もあるからだ。「これはいいねぇ」と唸らされる作品は、僕にとってはほとんどなかったと思う。

そもそも風呂敷はものを包んでナンボ。
風呂敷を広げて吊り下げた状態で展示しても、「わざわざ風呂敷でこの絵柄を表現する意味」がよくわからない。吊り下げた風呂敷の展示+何かをラッピングした状態の風呂敷展示、の2パターンで1つの作品を展示してほしかった。

以前、「約100名のクリエイターによる、架空書店のブックカバーを制作してそれを展示販売する」という展覧会に行ったことがある。そのときはずいぶんワクワクしたし実際にブックカバーを買った。しかし今回はどうも食指が動かない。売り物として展示されているのに。

恐らく、「タペストリー的に家に飾るには邪魔なサイズだし、かといってものを包む用途は日常生活で全くないし」ということから、風呂敷をどう扱っていいのか僕自身が図りかねたのだろう。
まず、今日における風呂敷の再定義、というのを最初にやったほうが良かったと思う。
(2019.12.17)
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