
1975年~1977年を青森県の津軽にて過ごした、写真家・秋山亮二の作品群。新聞社の津軽支局駐在員が、地元のニュースを本社に送る、という仮想の設定で撮影されたものだという。
ありふれた日常の写真がたくさん並んでいるけれど、どれもびっくりするくらい人々が生き生きとしている。おっさん達が棒立ちになっている写真でさえも、ギュッと味わい深く感じるのはなぜだろう?
半世紀も前の、しかも地方の風景を撮影しているから映画のワンシーンのように感じるのかもしれない。モノクロ写真なので、余計な情報が削ぎ落とされているから作品が目に焼き付くのかもしれない。
でもそれとは別の要素がありそうだ。今はSNS全盛で、盛られまくった写真が巷に溢れている。そういうコッテリした、作られた構図の写真を見慣れてしまったので、昔の素朴な日常光景が改めて素晴らしく感じるのだろう。
(2021.02.13)
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