編集後記2016年02月29日

「編集後記」の登場頻度

一月に一度、その月に書いた記事についてまとめてコメントするのがいいかな・・・と思ってしばらくやってきたけど、どうもタイミングがあわない。30日をはるかに越える連載があるからだ。なので、もういいや、適当に書きたいことがあったら書く。

文章を書いている最中、いろいろ「あー、これはさすがに書けないな」「こうは書いたけど、実際はこう表現したかったんだよな」という裏話はいくらでもある。それを編集後記で書きたいのだが、さすがに一カ月規模の連載が終わってから「さあどうぞ」といわれても、困る。殆ど忘れてしまっているからだ。

書きたいという意欲が失せるネット時代

今回連載した「わたしの歯医者遍歴」。地味な連載で、こんな話題を記事にして何の意味があるんだ?とは思う。でも、僕がとても書きたいテーマであり、読み手のことなんかしったこっちゃねぇという前提で随分楽しく書けた。

昔はもっとこういう「書くことの楽しさ」が多かった。自分が体験したこと、特にその体験の中でも「困惑したこと、発見したこと」を共有したいという気持ちが強かった。このサイトに多くある食べ歩きや旅行の記録というのは、すべてそういう共有欲求からきている。「僕が皆様の目となり鼻となる」というつもりで、あれこれ体験を文章にしたものだ。

しかし、いまや旅行記にしろ、飲食店レポートにしろ、世の中には腐るほど情報がある。今更僕がイキって書くまでもない。僕が「すげー!」と驚き興奮していたって、それはもうネットで調べればゴロゴロ転がっている情報だからだ。そんな世界じゃ、僕としては喜怒哀楽を文章で表現しづらいし、文章化して公開するのがやりにくいったらありゃしない。

先日、軍艦島に関するパネルディスカッションを聴講しに行ったのだが、それを聴きながら「ああ、昔は軍艦島ってすごい場所があるぞ!って詳細に紹介するアツいサイトがあったなあ」と思い出した。昔は情報が少なかった分、一部のマニアや努力家が積極的に、情熱的に情報を掲載していたものだ。今、軍艦島について調べても、ネットで見つかるブログや情報サイトはヌルい。「皆様ご存知の軍艦島ですが」といった感じで、他に情報がゴロゴロ転がっているよ、という前提が文章に組み込まれている。「みんな見て!こんなすごいのを僕は知ってるよ!」というワクワク感に満ち溢れた文章というのは減ったなあと思う。これは大盛りの店でも、なんでもそうだ。「既に知っている情報の追体験」的な身構え方になっている。

これはまさに僕もそう。最近の文章は全部そんな「半歩腰が引けた」内容になっている。もっと自分自身が新しい発見をしている!という感がない。だから僕としてはとても書きづらい。

その点、今回の「歯医者遍歴」ってのは、楽しかった。もちろん歯医者情報なんてのはネットにゴロゴロ転がっているはずだけど、あんまり僕にはなじみがない。で、僕が複数の歯医者をウロウロし、翻弄されるという「自分だけの体験」を持っているので、それを共有したい!という気持ちが強かった。

小粒な連載ではあったけど、結構深く満足している。ああ、書きたいことを書けたなと。

明日から何を書こうか、まだ決めてない。さてさて。