編集後記2025年10月期

AI校正を開始した

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巻機山の連載記事から、LLMを使った文章校正を導入した。

ChatGPTが出始めた頃、苦労して文章の校正を試行錯誤したが、あの時期はまだ早すぎた。ノウハウがネット上にほとんどなく、AIそのものも(今から見れば)まだ未熟だった。

何度注意しても一人称が「僕」と「私」で揺らぎ、文末が「である。」と「です。」と「だ。」を行き来する。文体の統一がまったくできなかった。

さらに、当時は長文を一度に読み込めなかったので、記事を数回に分けて校正させる必要があった。その結果、部分ごとに文調が変わってしまい、チグハグな内容になった。

しかし2025年10月、ようやく僕の期待通りの精度で文章校正をしてくれるようになった。

僕がAI校正に求めているのは、誤字脱字の修正よりも文章の滑らかさだ。僕の文章は、どうしても表現がくどくなったり、同じことを繰り返したりする。そもそも、思いつくままにバババッと書いて、そのまま掲載してしまうことが多い。もちろん、それが良いとは思っていない。だからAIに、そうしたギクシャクを整えてもらいたかった。そして今、それは実現している。

「文体をもっとブログ風にしますか?」とか「軽快な文章にしますか?」とAIから提案されることもある。試しにやってみたが、僕の文章のクセから外れて違和感があったのでやめた。

せめて20年前の僕が多用していた比喩表現を復活させようと思い、適度に比喩を入れるよう指示してみた。だが、これもしっくりこなかった。比喩というのは、言葉の選び方そのものが自分の経験や感性に結びついている。しかしAIの提案する比喩には、僕には馴染みのない言葉が混ざっており、「らしくない」と感じたのだ。

このサイトには膨大な量の僕の文章がある。本来ならすべてAIにクロールさせて学習させたいところだが、仕様上それはできないようだ。せいぜい、試しに1記事だけ読ませて、それを基準として記事のテンポ感を揃えてもらっている。

僕の記事は四半世紀以上の歴史がある。昔の記事を学習させれば20世紀の余韻を残すクドい文体になるし、最近の記事を学習させれば淡々とした調子になる。その中間が理想だが、ちょうど良いサンプルが見つからなかった。というより、「これぞ僕の代表作だ」と胸を張れる記事が思いつかなかったのだ。

この文章もAIによる校正が入っている。とはいえ、「明らかに文体が変わった」「味気なくなった」とは感じないはずだ。実際にはごく薄く、少しずつ文章を整えただけだからだ。その大半がせっかくの文章を短くする修正で、僕としては「おい、ちょっと待て!せっかく書いたのに!」と言いたくもなるが、読みやすくなっているのは事実。なので、一応納得はしている。

なお、このサイトは「おかでん」の旅行記をはじめとする個人体験の記録ばかりで構成されている。したがって「指示だけ出してAIが自動で記事を書く。俺様は左うちわ」といった世界とは縁遠い。むしろ、AI校正の内容をさらに校正することになって、手間が増えてしまった。

仕事におけるAIの活用

AIつながりで、最近の僕は仕事でほぼ毎日Copilotを使っている。会社からライセンスを貸与されたというのもあるが、一度使い始めるとズルズル使い続けてしまう存在だ。

今のところ、生産性が上がった実感はない。むしろ労働時間は増えた。

ExcelやPowerPointに出力させると文字化けやハングアップが頻発するので、もう諦めた。いまはチャット画面上で完結させ、「内容は僕がコピペするから、余計な図やグラフはつくらないでくれ」とCopilotに伝えている。

Copilotで資料を作らせるようになってから、ゼロから自分で作り始めるのがひどくおっくうになった。「雑でいいから、まずたたき台を作って」と頼むと、本当に雑なたたき台が出てくる。それをベースに何度もやりとりを重ね、少しずつ整えていく。

結果的には、自分で最初から作ったほうが早い。それでもCopilotに頼ってしまう。時々、「おっ、これは!」というこなれた文章やアイディアを出してくれるので、気持ちが楽になるのだ。

とはいえこちらが完璧な指示を出しているわけではないので、手戻りは多い。その分、資料づくりに時間がかかる。それでも、なんとなく「悪くない感じ」の資料が出来上がる。

問題は、そんな資料が本当に必要なのかという点だ。時間をかけてAIと一緒に作った資料も、会議ではななめ読みされて終わることが多い。

結局、AIの力を借りてブルシット・ジョブを量産しているだけで、生産性にも付加価値にもつながっていない。これが、AIネイティブでない人間が仕事にAIを使った結末だ。

とはいえ、このままではまずい。深夜3時すぎまで業務PCの前でAI相手に仕事をしていたのでは、AIのために過労死する。そろそろ「AIをどう使って楽をするか、ズルをするか」という方向に発想を変えたい。

なお、人事考課の面接で、AIと相談して作った業務目標をそのまま提出したところ、やたら高い目標を設定してしまった。しかも、厳密なKPIまで添えてある大変美しい目標だったために、自らの退路を断つ形に。これだと、目標を達成できなければマイナス評価だ。AIの助言どおりに動いた結果、むしろ査定が悪くなるという有り様に。

モヤっとした言葉で、ホワンとした目標を、できるだけ定量化せず定性化で乗り切る・・・というのが、悪くない評価を得るためには大事。しかし、AIに作らせた目標をそのまま使うと、その真逆に突っ走るのだった。

(2025.10.31)

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