レインボーブリッジを歩いて渡ろう

田町方面からレインボーブリッジを眺める

レインボーブリッジ。数ある日本中の橋脚の中でも、トップクラスの知名度を誇る橋だ。東京の芝浦からお台場まで繋がる橋として、首都圏交通の中核を担う路線となっている。橋には、首都高速道路の他に、一般道路、そして新交通「ゆりかもめ」線が走っている。

そんな橋だが、歩いて渡ることができる、というのは案外知られていない。いや、知られているのかもしれないが、わざわざ歩いて渡ろう、という人は非常に少ない。風光明媚なポイントにもかかわらず、都心の穴場スポットといえる。

と、偉そうに書いているが、肝心のおかでんはまだ未踏破だった。行ける時に行っておかなくちゃ、ということで時間を作って歩きに行った。今回はそんなレインボーブリッジのレポート。

JR山手線/京浜東北線の「田町」駅東口からひたすら道路をまっすぐ進んだところがちょうどレインボーブリッジ。芝浦側は、高さを稼ぐためにループ橋になっている場所だ。建設当時では世界最大の豪華客船であった「クイーン・エリザベスII世」号が通過できるように、水面から高い位置に橋をこしらえた為、橋の位置は相当高くなっている。とはいえ、あまり高く作りすぎると、羽田空港に離発着する飛行機の邪魔になる、ということで低さにも高さにも気を遣った心配りの建造物。

橋げたから上にあがるらしい

そんな巨大な橋が眼前に見えてくると、さすがに「おお」と声を上げてしまう。遠方から見かけることはさんざんあるのだが(おかでんの職場オフィスからでも見る事ができる)、近場で見ると迫力がぜんぜん違う。

でもこれ、どうやって橋の上に登るんだろう?

さりげなく案内看板がある

レインボーブリッジ遊歩道、という看板が見えてきた。なんだか古めかしい装飾ではある。21世紀的なデザインでは確実にないので、橋ができた当初に設置されたものっぽい。

一部がガムテープで隠されている。遊歩道の他に何があったのだろう?展望台?

夜間は通行できないのだな

「開館時間」という張り紙が貼ってあった。24時間いつでも歩けるわけではないのだな。夜は閉まっている。また、第三月曜日は「休館日」になるそうだ。レインボーブリッジを「館」と表現しているのが一風変わっている。「開場」とか「休場」の方がすんなり納得できるのだが。

さあ、橋の上に行こう

案内看板に従って歩いていくと、アンカレイジ(アンカーブロック=吊り橋のケーブルを支える土台)の足もとに着いた。どうやらここから上に登るらしい。

それにしても真下から見ると、「ここって本当に歩くことができるの?」とにわかには信じられない。

まさか橋の上まで階段を使って登る・・・なんてことはないよな?エレベーターくらいはあるよな?

警備員のおっちゃんに会釈してから先に進む。この橋、無料で渡る事ができるのに、わざわざ警備員を配備しているのだから大変だ。100円くらい利用料を取ってもバチはあたらないと思うのだが。

エレベーターは三基ある

アンカレイジの中に入ると、そこは2階。遊歩道は7階にあるらしい。ところでこの建物における「階」の概念ってどうなっているのだろう?3階-6階というのが存在するのだろうか?

あっ、ここにも文字を消した痕跡がある。よく読んでみると、以前は6階に「展望フロアー」というのがあって、そこから橋を眺める事ができたようだ。利用者が少なかったからなのか、メンテナンスが面倒だったからなのかは分からないが、今では6階は素通りするようになっているっぽい。

エレベーターは二カ所にあり、どっちのエレベーターに乗るかによって橋の北側遊歩道を歩くか、南側遊歩道を歩くかが決まるようだ。

おかでんはお台場方面の眺めが見たかったから、南のエレベーターに乗る。

横を車がびゅんびゅん走る

7階到着。ここからレインボーブリッジを歩いて渡ることになる。

レインボーブリッジは2階構成になっていて、上の階には首都高速、下の階には一般道とゆりかもめが走っている。

歩道と柵を挟んですぐ隣に猛スピードでびゅんびゅん車が走っている。当然橋の上には信号なんてないので、どう考えても制限速度(60km/h)以上の速度でぶっ飛ばしている。なかなかな迫力だ。排ガスも当然結構すごい。橋の上からの眺めに似つかわしくない、排ガスの香りがあたりに立ちこめている。

ベンチがある

橋げたのところにはベンチもある。レインボーブリッジを歩き切るまで30分ほどかかるので、休みたい人はここのベンチでどうぞ。

天王洲アイル方面

橋げたから天王洲アイル・大井方面を眺める。橋げたのところだけ海側にフェンスがないので、撮影の絶好ポイントだ。

お台場方面

一方こちらはお台場方面。フジテレビの建物が非常に印象的。

思った以上に突き出ている

橋げたから橋の前方を眺めたところ。こういう角度で橋を見るのは初めてなので、思わず「おおお」と声が出る。自分が空中にいるかのような気分になる。

台場と芝浦の境界線

橋のちょうど中間部分に「台場」と書かれていた。逆方向には「芝浦」の文字が。

第六台場

二つ目の橋脚で、お台場方面を眺める。第六台場がよく見える。

車で移動するときは、こういった風景をゆっくり落ち着いて見る事ができないので、歩いている人のみの特権だ。

アンカレイジ

お台場側のアンカレイジが見えてきた。ここにもガラス張りのエレベーターの姿が見える。

台場アンカレイジ

台場アンカレイジ。海抜47メートル地点。

このアンカレイジは海の上に建っているので、エレベーターで下に下りたらどうなるのだろう。

・・・と思っていたら、エレベーターは荷物用であり、一般の通行者が使えるものではなかった。残念。

多分以前は芝浦アンカレイジ同様、展望台があったのだろう。維持運用が面倒なので、一般者立ち入り禁止にしたっぽい。

あ、禁煙だったのか

今頃気がついたが、遊歩道は禁煙なんだな。吸い殻が放置されても困るからだろう。

第三台場とお台場

第三台場。先ほどの第六台場は島になっていて、立ち入り禁止。だけど、この第三台場は歩いて行く事ができる。行かないけど。

複雑にからむ高架道路

お台場側のレインボーブリッジは、だんだん海抜が低くなっていく。芝浦アンカレイジのエレベーターで橋の遊歩道まで一気に上がったのとは違う。

ノースルートと合流
ノースルート分岐

途中、階段があったので何だろうと思ったら、ノースルートド(都心方面)の遊歩道からの合流ルートだった。ノースルートを歩いて来た人は、ここでサウスルートと合流し、一本道でお台場を目指すことになる。

お台場海浜公園に到着

お台場到着。レインボーブリッジを振り向いたところ。やあ、あんなところを歩いてきたのか。結構歩いたな。

眺めが良いし、お金はかからないし、30分程度の散歩なのでとても良い気晴らしになる。時間があるのなら、踏破してみることをお薦めしたい。

(2012.12.27)

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