雲上の楽園 雲ノ平へ行こう! 雲ノ平フォトトレッキング説明会@モンベル御徒町店

雲ノ平フォトトレッキング説明会

モンベルの登山セミナーに参加しまくっている僕だけど、今回は別モノ。

アウトドアウェアやギアのブランドであるモンベルは、ツアーや体験会を多数開催している。 しかも、ビックリするくらいの数を、だ。

どのツアーも、ガイド同行なのでさすがに値段が高い。山小屋料金で「団体割引」なんてあるわけがなく、シンプルに個人山行のコストにガイドさんの人件費、モンベルの利益が乗っかってくる。そりゃー、高いに決まってる。

なので、僕のように旅の計画を立てるのが大好きで、一人で好き勝手動きまわるのが好きという人からすると、ツアー山行なんてのは無用の長物だ。 山に行ってみればわかるが、ツアーに参加されている方というのはナイスミドル以上の方ばかりで、齢43歳の僕でさえ「一世代以上年下の若造」レベルだ。

そういうご年配の方と一緒に参加しても、ペースがあわないので楽しくないだろう。また、山の計画をツアー任せにする人とは、基本的に山に対する考え方が違う。話も合わないと思う。

それでも、この4泊5日ともなる長大なるツアーの説明会に参加したのは、ひとえに場所が「雲ノ平」だからだ。

雲ノ平。日本の中でも、これ以上ない「山奥中の山奥」。岐阜県と富山県と長野県の県境くらいにあるエリアで、北アルプスの一角にある。初心者でもイメージしやすく説明すると、富山県の立山の南、岐阜県の新穂高温泉の北、といったところ。 とにかく山奥過ぎて、この日説明した山岳ガイドさんいわく「軽い捻挫でも、ヘリコプターによる救助を呼ばなくてはいけなくなるレベル」。そんな場所。

登山口から、途中で一泊してようやくたどり着ける。シンプルな往復でさえ、2泊ないし3泊は必要になる。 もちろん僕としては、こんな秘境を見過ごすはずもなく、ずーーーっと前から虎視眈々と狙っている場所だ。しかし、あくまでも「平」であり、山ではない。日本百名山でもない。たぶん、いずれ近隣の百名山(水晶岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、薬師岳)は縦走しながら踏破するだろうけど、そのちょっと外れた場所にある雲ノ平には「行きたいなー行きたいなー」と言いつつ、一生行かないんだろうな、という気がしていた。 だからこそツアーですよ。

こういう強制力を自分に課すことで、雲ノ平に行こうっていう気になる。

とはいえ、申し込んだはいいけど、だんだん意欲が減衰していったのも事実。なにしろ、コストがものすごい。10万円近くかかる。これに加えて往復の交通費、富山で前泊しなけりゃならんのでそのホテル代もかかる。12万、13万円はかかるということだ。おい、外国行けるぞ? これだけの金を払っても、できることといったらギュウギュウ詰めの山小屋で寝苦しい夜を過ごす日々という。つくづく登山というのはマゾな趣味だし、小金持ちしかできない趣味だと思う。

「まあ、参加しないだろうけど申し込みをキャンセルするのも面倒だ。説明会だけ参加すっか」 という気持ちで顔を出したのが今回。 しかし、いやー、すげえなあもう。 説明してくれた山岳ガイドさんはカメラマンでもあるのだけど、雲ノ平をはじめとした写真の美しいこと美しいこと。

もちろん視界360度全てに、高圧電線のような人工建造物はまったくなし。裏銀座、と呼ばれる登山家垂涎の秘境がたっぷりと紹介され、黒部川源流とか槍ヶ岳とかもう、たまらん写真ばかり。 で、カメラの使い方説明とか、撮影スポット紹介とか、行程中にいろいろ教えてくれるらしい。

「普通のツアーなら、写真を撮るために立ち止まったりするのはよくないとされますけど、今回はフォトトレッキングですから。むしろ、写真を撮らない方をお待たせしてしまうようなツアーになることはご了承ください」

だって。ああ、そういうツアーならむしろ参加する意味がある。ガイドさんは僕には不要だけど、カメラレクチャーならぜひ学びたい。

加えて、説明会に参加していた20名以上の方々の顔ぶれを見て若干安心した。いわゆる「ジジババ」が一人もいなかったからだ。もちろん平均年齢は高めなのだけど、壮年といった方々が中心で、「右も左もわかんなーい。だからおまかせー」という無責任そうな人はいなかった。これなら、大丈夫そうだ。

ただし肝心の僕が持っているカメラは「さっと出して撮影し、さと片付けられる」ことが信条のコンデジだ。当然一眼レフかミラーレスのカメラをみなさん持ってくるだろうから、ちょっと世界観が違う人たちだとは思う。そもそも「山小屋のトイレの写真を嬉々として撮る」みたいな趣味の人はたぶんいないだろう。

どうしようかなー、参加したいんだけど、4泊5日のツアーに加えて前泊するので5泊6日ってことになる。これだけ会社を休むのはさすがに気が引ける。あと、金が・・・。払えるんだけど、罪悪感が相当なものだ。 あと半月くらい、悶々と悩んでみようと思う。 もし参加したとすると、いずれ「へべれけ紀行」に超絶山行紀行が掲載されることになるだろう。

(2017.05.24)

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