精霊馬を作る

精霊馬を作る

僕がお盆のときに精霊馬を見たのは、社会人になってからだった。なんて奇抜な迷信なんだ、とその当時は呆れたものだ。

少なくとも実家ではやっていなかった。西日本自体にそういう文化がないのではないか?と思っていた。

すると、実は実家でも昔ではやっていたのだという。母方の実家でもやっていた、というから、少なくとも岡山界隈では当たり前の文化だったらしい。 ではなぜ今やっていないのかというと、「お盆はバタバタして慌ただしくて、それどころじゃなかったから」だそうな。

当時僕ら家族は広島に住んでいて、盆暮れだけ父親の実家がある岡山に移り住んでいたからだ。

おかでん家は、既に姪が2名いて育ち盛りだ。伝統文化(?)の継承のためにも、一旦は途絶えた「精霊馬」を復活させてみることにした。

下の姪は4歳なので、作るのは無理。だから7歳の上の姪が作成した。下の姪が「私もやる!」といって茄子やキュウリを奪って、姉妹で殴り合いの喧嘩になるのではないかと心配だったけど、その事態は回避できた。 爪楊枝で四足のあたりをつけてから、割り箸を突き刺す。バランスを取るのが最初は難しく、姪が何度も刺し直していたら野菜がグズグズになりはじめた。やばいやばい、もうその辺で勘弁してあげてください。

掛け軸の下に飾る

出来上がった精霊馬は、仏壇のある部屋の手前に飾られた。 諸説あって、「ご先祖さまは東からくるから、東に向けろ」とか、「馬(キュウリ)は仏壇に向けて、牛(ナス)は逆に向けろ」とか、「お盆の初日には仏壇に向けて、最終日には家の外に向けろ」など入り乱れている。

仕方がないので、家の主である父親に「どうする?」と聞いたら、この形に収まった。 ご先祖様は、今頃になって現れた馬と牛にさぞかしびっくりしただろう。

来年は馬のかわりにミニ四駆でもおいてみるかな。

(2017.08.13)

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