テレワークで首が回らなくなった貴方へ。肩こり・頭痛を素早くリリースしてくれる「マッサージガン」を強くおすすめしたいッ!

新型コロナウイルスの感染者がひたひたと増加していた3月。緊急事態宣言が政府から発令される前だったけど、あちこちの大型商業施設では営業自粛が始まっていた。

会社帰りに東京駅の傍らにあるデパート、「大丸」を訪れた僕は、臨時休業という張り紙とピッタリ閉ざされたシャッターを前に、唖然としていた。あれっ、これだけの巨大施設もあっけなく休業するのだな、と。

諦めて駅の改札に向けて歩き出したところで、地下街に何やら黄色いテナントがあることに気がついた。なんだありゃあ?最近できたっぽい。昔はなかったぞ。

近づいて、通り過ぎて、立ち止まって、振り向いて。

アメコミ風の漫画が描かれている、ポップなお店だ。奥行きは殆どなく、2メートル程度か。そのかわり、横が長い。なんだこりゃあ?

遠くから観察していると、これがクイックマッサージのお店であることがわかった。名前を「CHARGE」という。

https://charge10.tokyo/

マッサージ店の「てもみん」と理髪店の「QBハウス」を足して2で割ったようなお店、という形容だとわかりやすいかもしれない。着衣のまま椅子に座り、首肩背中に限定してマッサージしてもらうスタイルはまさに「てもみん」。そして、予約不可・チケットを店頭の自動券売機で購入して順番待ちをする、というスタイルはQBハウス的だ。

マッサージ店に行きたいけど面倒くさいな、と思うのは、「予約」というプロセスがあるからだ。もちろんすぐに施術を受けられるお店もあるけれど、「今は一刻も早く揉んでもらいたいッ!」と思っているときに限って「あと1時間半後でしたら・・・」などと言われ、諦めることがある。あれが悔しい。

その点、このお店は店頭の自動券売機前に並んでいる人の数が全てだ。そして、お店のメニューは「10分1,000円」または「20分2,000円」の2パターンしかない。着替えもないのだから、あとどれだけ待てば自分の番が来るかすぐにわかるし、事前に覚悟ができる。

「てもみん」の後追いビジネス、とは言い切れない、いい線ついてきたサービスだと思う。もちろん僕は試してみた。なにせ、年度末ということで忙しく、結構お疲れ気味だったし。

僕の家の近所には、中国や韓国を出身地とする方々が営んでいるマッサージ店がいくつもある。そういうお店は「60分2,980円(税込)」でやっているので、10分=1,000円換算のお店は非常に高額だ。なのでこの手のマッサージは最近ぜんぜん利用していなかった。しかし、案外いいもんだなこういうのも。本当に手軽だ。サクッと、という擬音はあまり似つかわしくないけど、本当にサクッとマッサージを受けられる。衝動的に。

あと、10分ないし20分で、客に「次またマッサージを受けたい!」という気持ちにさせなくちゃいけないので、お店のスタッフさんの気合が素晴らしい。60分かけてのんびりと施術というのと違い、グイグイと濃縮還元でマッサージをしてくれる。首肩背中に特化しているというのも、効果をより際立たせている。

そんなことを考えながらのあっという間の20分間だったけど、最後に「ハイパーボルトを使ってもよろしいですか?」と聞かれ、登場したメカに驚いた。

わけもわからず「はい」と言ったものの、ハイパーボルトなるものが何かさっぱりわからない。すると、スタッフさんが持ち出したのは、電動ドリルの形をしたマッサージ器具だった。スイッチを入れると、ブルブルと震える。いや、震えるというか、高速でピストンする。いわゆる「電マ」とは明らかに違うものだ。

えっ、今のは何だったんだ?と驚いているうちに、あっという間にハイパーボルト終了。効果があったのかどうかさえ、よくわからない一瞬のキラメキだった。よくわからないけれど、結構な衝撃が身体にやってきたのは間違いない。

この日は外科的にはマッサージ、消化器内科的には激辛料理で癒やしを得た。

蒙古タンメン中本で「北極やさいラーメン」を。

しかし、この激辛を胃袋に流し込みながらも、ずっと気になっていたのがさっきの「ハイパーボルト」だ。何だったんだ、あれは。気持ちよかったのかさえも、よくわからないくらいだけど、不思議な体験だった。あと5分あの刺激を続けていれば、なんかもっとすごいくつろぎに繋がりそうな予感はした。

調べてみると、この「ハイパーボルト」なる製品は、「マッサージガン」と総称されるもので、筋膜リリース用に作られたものだということを知った。

筋膜リリースという言葉は、最近よく聞くようになったけど実際に体験したことはない。筋肉の表面にある筋膜なるものが、固くなるから可動域が狭くなったり凝りが生じるっていう話だったっけ。

筋膜リリース用に、「フォームローラー」という溝が刻まれた小さなストレッチポール風のものを見かけるが、最近はこんな「マッサージガン」というのが出ているのか。

とはいえ、この「ハイパーボルト」、高いなぁ。5万円する。これまでいろいろなマッサージ器具を買ってきてコレクターのようになっている僕だけど、さすがに5万円には手が出ない。そんな気持ちを見越してか、Amazonにはハイパーボルトの類似品がゴロゴロ売られていた。安いものだと、1万円を切るものまである。見た目はどれもそっくりだ。むしろ、怪しい。「安い!これなら買える!」とは安易に思えなくなってくる。中華製で作りが悪そうだし、そもそも商品紹介の日本語がおかしいし。

気になるけれど、どの程度の金額のモノを買えば「安物買いの銭失い」にならなくて済むのか、さっぱりわからない。1万円以下の商品が駄目なのかどうかもわからないし、5万円のハイパーボルトをえいやっと買うのが正解なのかもわからない。

そんなわけで、「気になるけれどよくわからない商品」ということでしばらく僕の中では放置されていた。わからないので、手が出しようがない。

そのままコロナの緊急事態宣言を経て、僕はテレワーク三昧の日々となった。週1回の出勤で、残りの4日は家での仕事。むしろテレワークになってからのほうが忙しくなり、ONとOFFの切り替えもできなくなっていった。テレワークは、楽する人はどんどん楽をし、仕事を抱え込む人には仕事がギューッと集まってくる。この二極化がすごい、と思った。

さすがにこれはやばい、と思い、勤務終了時間と同時にお風呂が沸くようにセットし、無理やり仕事を打ち止め・入浴という運用を取り入れたりしてみた。しかしなかなか気分は切り替わらないものだ。湯船に浸かりながら、頭の中ではずっと仕事のことを考え続けていたりした。

体調が崩れたのは、6月に入ってからのことだ。緊急事態宣言が明け、週2回の出社にシフトが変更されてはいたけれど、結構な頭痛がするようになった。なんのことはない、一日テレワークをやっていると、ずっと画面を見続けていて首を動かさないからだ。

自分の一日を振り返ってみると、仕事をやっている昼間はひたすら正面斜め下を見続けていて、首を左右に振ることさえやっていなかった。

「すいません、ちょっと教えてほしいことがあるんですけど」
「はい、なんでしょう?」

という、職場ではよくあるちょっとした動作がまったくないからだ。ヘッドセットをして音声チャットやTeams/Zoomのミーティングがあるけれど、それはひたすらPCを向いている。僕にとって仕事というのはパソコンを見続けることだ、ということを今更ながら知る。

そりゃあ、首や肩がバキバキになるわけだ。そしてその果てに、頭痛にもなるわけだ。側頭部、こめかみのあたりが痛む。

おでこにサロンパスを貼ってしばらくはしのいでいたけれど、これって単に目がスースーするだけで、グイグイともみほぐしたい場所とはちょっとずれてるんだよなあ。できることならスキンヘッドにして、側頭部にベッタリとボルタレンテープを貼りたい。側頭部といわず、後頭部あたりもボルタレンで覆い尽くしたい。そんな気持ち。

そんな中、たまの出勤日で通勤していた際に、ビックカメラでマッサージガンを見かけた。ハイパーボルトではない、もっと廉価なものだ。お値段は22,000円くらいだったと思う。

1万円以下の中華製品がネットで売られていることを踏まえると、2万円オーバーというのでさえも高く感じる。しかし、「マッサージガンって、一体なんなんだ?Amazonの口コミを見ると、ベタ褒めばかりじゃないか。気になるじぇねぇかこの野郎!」ということずっと気になってたんだ。実際に動作するものを実際に触ることができたのは運が良かった。

・・・すげえいい。やっぱり、こいつァいいぞ。

店頭なので、がっつり使い込むわけにはいかなかったけど、すぐに確信した。これはこれまでのマッサージ器具とは明らかに違う、と。

これまで、ルルドのマッサージクッションで背中をグリグリやりすぎてアザができたり、オムロンの低周波治療器でビリビリやりすぎて、シャックリをずっとやっているように腕がビクンビクンしてパソコン作業どころじゃなくなったり、ゆたぽんを温めすぎて電子レンジで爆発したり、あずきのチカラを温めすぎて焦げた匂いがしたり、様々なことがあった。どれも素晴らしい相棒だったけれど、それとは違う予感がする。少なくとも、我が家にある、ド定番の電マ(スライブ製)と次元が違うことは確信した。

1万円のものでも十分なのかもしれない。3万円を出すともっとイイ体験ができるのかもしれない。よくわからないけれど、2万円ちょっとのこの製品を実際に触り、納得がいったのでこれが欲しくなった。

安い買い物ではなかったので、パートナーのいしに説明し、いしにビックカメラに来てもらい、そのときはバッテリー切れで実機が使えなかったのでヨドバシカメラまで行って類似製品を体験してもらい、購入の許可を取り付けた。

マッサージガン初体験から3ヶ月、「マジで欲しい」と思ってから3週間。ようやく手元にマッサージガンが届いた。「マイトレックス リバイブ」という名前の商品だ。

最初はAmazonで購入していたのだけど、トラブルに発展したのでキャンセルし、楽天で買い直す羽目になった。正規メーカーがAmazonで販売している価格は21,780円(税込み。2020年7月3日時点)なのだけど、時々18,000円台の値付けで出品する業者が出てくる。その業者を利用したけれど、待てど暮せど商品は届かず。Amazonの画面で配送状況を確認すると、「配送済み」にされてしまっている。配送業者のwebサイトから配送状況を確認したら、僕が発注する前に既に中国を発送しており、東京都墨田区に配送した、ということになっていた。故意かミスかは不明だけど、嘘の伝票番号をAmazonに登録したらしい。もちろんお金はクレジットカードで引き落とされた。やられた。発送業者がMariaとかいう名前で変だな、と思っていたのだけれど。

Amazonのコールセンターに電話したら、さすがAmazon、2コールめですぐにオペレーターにつながっただけでなく、丁寧に謝罪をしてくれ、状況を確認するとともに返金するように手配する、正式な解答は48時間時間を欲しい、いずれにせよ返金はするので安心して欲しい、とバッキバキにユーザー目線の解答をしてくれた。最高やんけAmazon。

マーケットプレイスの場合でトラブルがあった場合、出店者はAmazonからの問い合わせに対して24時間以内に解答することが求められているのだそうだ。ただ、それに少し余裕をもたせて、解答のリミットは48時間以内だ、とのこと。すげえな、ルールがカチカチに決まってるんだな。たぶん、24時間以内に出店者から解答がなければ、契約破棄とかの厳罰に処されそうな予感。

コールセンターのオペレーターは中国由来の名前を名乗り、若干訛りがある喋り方をしたので「あれっ、大丈夫かな」と思ったけれど、完璧すぎる対応だった。しかも、電話が切れてしばらくしたら、「お電話だけで解決できなくて申し訳ありません」というお詫びと、再度今後の段取りについての説明が書かれたメールが届いた。思わず感動した。で、後ほどもう一度メールが来て、「結局先方とは連絡がつかなかった。返金はするので安心してほしい」ということだった。あ、結局出店者はドロンしたのか。

しかしほとぼりが冷めたと思ったのか、しばらくしたら同一人物と思われる業者が、別名でまたこのマッサージガンを安く売っていた。少なくとも、僕が買った「マイトレックス リバイブ」は正規メーカーである「創通メディカル」から出品されたもの以外、買わないほうがいい。

(つづく)

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