実家は物持ちが良く、僕と兄貴が子どもの頃与えられた玩具がまだ残っていたりする。
いや、それどころか父の世代が読んでいた本なんかも置いてある。僕が江戸川乱歩の「少年探偵団シリーズ」を読んだのは、昭和20年代に刊行された古い古い本だ。
1歳ちょっとになる弊息子タケが遊べるようなオモチャはないだろうか?と押入れの中をあさっていたら、こんなものを見つけた。
「機動戦士ガンダムかるた」。
なんだこりゃ?
見たことがない。そしてやった記憶もない。でも、ガンダムということは僕ら兄弟以外はありえない。従姉妹(女性)が遊ぶとは思えないし、そもそもガンダム世代なのは僕と僕の兄貴だ。
覚えてないなぁ。でも、きっと遊んだんだろうなぁ。
おそらく、僕ら兄弟がガンプラに夢中だ、という話を聞いた祖父母が、僕らが実家に帰省するタイミングに合わせて買ってくれたものだと思う。しかし、僕らが好きだったのはあくまでも「ガンプラ」であり、ガンプラを作る上でアニメを教養として見ていたという流れだった。
※ここが重要。ガンダムのアニメが好きだからガンプラが好きになったのではない。その逆。
なので、たぶん「ガンダムのかるたかぁ・・・」と当時であっても塩対応だったのだろう。だからほとんどプレイされることなく、記憶にも残らなかった。
そもそもこれ、著作権侵害のものじゃないか?とまずは疑った。この頃は著作権の浸透が不十分で、「ガンダムのテーマ曲が入ったアニソン集(カセットテープ)を親に買ってもらったら、歌っている人が違う!曲のアレンジも違う!これじゃない!ということが平気であった。で、カセットテープのパッケージを見ると、「ガンダムに似た何か別のロボット」が描かれていた。そのときの無念さはいまだに覚えている。
なのでこれもその手のバッタ物では?と思ったが、パッケージには「創通エージェンシー・サンライズ」のコピーライト表記がバッチリ。公式グッズなのか、これ。
道理でしっかりとした絵だと思った。インチキくさいガンダムとか偽物感満載のアムロじゃない。
それにしてもガンダム、今見るとすごいな。背中が丸まっているし、右腕を振り下ろした結果右胸あたりのデザインがおかしくなっている。これはガンプラではどうやっても再現不可能だ。
ガンダムが本当にすごいのは、これまで艦隊戦でしか使用されてこなかったビーム兵器をモビルスーツに搭載したことだとか、ミノフスキー粒子下でも戦えるとか、そういうこっちゃない。ゴムでも粘土でも再現が難しいような、ありえない体のねじれをロボットで実現できたことだ。
それはともかく、カルタの中身だ。
「わがはいは ジオンの公王 デギン・ザビ」
「ちじょうでの 戦いは ガンタンク」
などと書かれた札が入っている。なるほど、たしかにガンダムかるただ。
それにしても絵がチープな気が・・・。セイラさんがセイラさんっぽくないし、ムサイは安っぽいし。
とはいえ、ほとんど使われていないであろう美品だ。よくもまあこんなものが数十年も放置されていたものだ。
メルカリで売ればそれなりの値段になるのかもしれないけど、面倒だから売るつもりはない。かといって、これを実際にプレイしてみる気にもなれなかった。ペラい質素な厚紙で作られたカルタなので、雑に札を使うと紙が折れてしまうのが目に見えたからだ。
なので、いちおう見てるだけ。少なくとも、子どもがやんちゃなうちはこのカルタでは遊ばないつもりだ。
(2022.08.11)
コメント
コメント一覧 (2件)
すごいっ やってみたい人、続出では?(笑)
私も遊んでみたいです。
ガンダムのびっくりは、それまでは正義のロボット一台で、
宇宙から攻めてくる敵のたくさんのロボットと戦っていたのが、
敵が宇宙人でないのはさておき、
一台じゃないっ、というところでした。
まあ、一応ガンダムは新型モビルスーツですが、
それにしてもーーー 一台で地球を守るんじゃない、のが
ついていくのが大変でしたよ。
私はそれまで同じ時間帯の長浜ロボットアニメを見ていたので、
ガンダムの動きにはそこまで驚かなかったです。
なんせロボットなのに変身もどきしてましたもん。
ネーマさん>
ガンダムかるたをざっと眺めていてホッコリしたのは、後付けであれこれ足された舞台背景とか設定とか一切なく、シンプルに「ジオン公国対地球連邦軍」という表面的なプロットをなぞっただけの内容だったということ。
たぶん、今同じようにかるたを作ったら、もっとマニアックな内容になっているだろうなあ、と思いました。
今やっている「水星の魔女」なんて一体どんなかるたになることやら。