ある盆踊り大会の演目(東京の場合)

2023年の夏は、あちこちの盆踊り大会に行ってきた。その数、10回くらいだろうか?

調べれば、本当にあちこちで開催されているものだ。こんなにやっているのか!とびっくりする。

でも、これまで東京に住むようになってから、そんな盆踊り大会の存在には気が付かなかったし、行ったこともなかった。情報を探せば見つかるし、探さないと全く見つからないものだ。

SNSにはアルゴリズムがあって、ユーザーの趣味嗜好にあわせておすすめ動画や関連するツイート、コメントが表示されるようになっているとされる。それはネット世界ならではの出来事だと思っていたが、リアル世界においても「興味を持って調べれば、どんどん情報が芋づる式で入ってくる。これまで知らなかった世界が開ける」ということがあるということを再認識した。

さて盆踊りだが、どこへ行ってもだいたい演目は一緒だ。地元オリジナルのご当地盆おどり曲が交じるものの、その他は似た構成になる。

炭坑節、東京音頭、大東京音頭、ゆかた音頭、アンパンマン音頭、ダンシングヒーロー、八木節

といった構成。

なぜ荻野目洋子の「ダンシング・ヒーロー」が盆踊りの定番にのし上がったのか、これまでの経緯を知らないのでびっくりした。だって、1985年の曲だぞ。僕がまだ小学生の時にヒットした曲だ。その頃は完全にヒットソングの位置づけであり、盆踊りになるなんて考えられなかった。それがいつの間に?

60歳、70歳といった浴衣を着たマダムたちが荻野目ちゃんの曲に合わせて踊っているのを見ると、「なんだこの世界は??」と不思議に思えてくる。

おかしいなあ、僕が子どもの頃は、「アラレちゃん音頭」や「キン肉マン音頭」が流行ってたのに。当時のアニメ曲って、やたらと盆踊り風の曲が存在していたものだ。ああいったものは時を超え生き続けなかったのか。

盆踊りを見ていると、なるほどこういうダンス・ミュージック文化が日本にはあるから、パラパラのような踊りが日本発祥で生まれたりしたんだな、と思う。独特の踊りの世界だ。抑圧的とでも言おうか。

あと、生の和太鼓の音は圧倒的だ。あれが録音でしょぼいスピーカーから音が流れていたら、全然盛り上がらないだろう。

いっそのこと、「マツケンサンバ」を演目に加えて、盆踊りを拡大解釈していってジャパニーズ謎ダンスイベントに発展していっても良いと思う。でも、盆踊りを主催するのは町内会だったり地元自治体だったり商工会の有志だったりと、これまでの歴史と経緯を大事にするであろう人たちだ。「盆踊りをどんどん進化させていこうぜー」という方向には向かいづらいだろう。

ところで、ダンシング・ヒーローが盆踊りで多用されるようになって以降、荻野目洋子とレコード会社は著作権収入が増えたのだろうか。町の公園で開催されている盆踊り大会がちゃんとJASRACに手続きをとっているのかどうか、気になる。

(2023.08.20)

コメント

コメント一覧 (4件)

  • >盆踊り

    東京の何処でしたか、ボン・ジョヴィで踊ってる所がありましたっけ。
    何故か本人に繋がって、「次のステージはそれやってくれよ!」と大ウケだったとかw

    ちょっと体が不自由なもので踊りに参加は出来ませんが、機会があれば浸ってみたいものですね
    >ボン・ジョヴィ@盆踊り。

  • ティータさん>
    ボン・ジョヴィと「ボン踊り」をかけた、ジョークなのか!それは面白い。
    いろいろな曲を盆踊りに取り入れるチャレンジはされているようですが(TRFのEZ DO DANCEなんて有名ですよね)、結局は踊ってナンボの世界なので、振り付けが定着しないといけない。
    町内会の盆踊り規模だと、新曲導入は相当難しいんでしょうね。。。

    老害な皆様が「昔っからの曲がいい!」と強情を張っている、という単純な世代間対立の話じゃなくて、純粋に踊りの定着と伝承が難しい。

  • Youtubeだかで紹介されてた動画で流れてたのは「Livin’on a prayer」でしたが
    DJさんが入ったりしてなかなか良い感じだったかと。
    輪の中の皆さんも違和感なく踊ってたようでした。

  • ティータさん>
    日本語ラップは、下手な人が作ると盆踊りっぽいリズム感になってしまうという話を聞いたことがあります。あのドドンという太鼓の音は日本人に染み込んだものなんでしょうね。
    洋楽で踊れるといえば、もっと日本でもゴスペルが流行ってもよさそうな気がするんですが、あれはちょっと日本の歌と次元が違いすぎて、定着が難しいですね。

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