
キャンプ場でバンガローに宿泊した。
そのバンガローのすぐとなりに、なにやらテントが2張、張ってある。
以前このバンガローに宿泊した際は、ここは我々が車を停める場所だった。そこにテントが張ってあるので、ちょっとびっくりした。誰だ、こんなところにテントを張ったのは。
しかも、なぜか一つのテントが、真っ黒で変な形になっている。なんだこれは?

近づいてみると、「テントサウナ」と書いてある札を発見した。
「ご予約は受付まで」と書いてある。
天然アロマロウリュ、無重力チェア、水風呂 1泊19,800円
だそうだ。えええ、テントでサウナ?そんな概念が存在するのか。
誰も使っていなかったのでテントの中を覗いてみたら、黒いテントの中には暖炉が設置されていた。ここでガンガンに火を焚いて、その熱で汗をかくということらしい。もちろん、テントの中で火を焚くと窒息するので、ちゃんと煙突が用意されている。そしてこのテントの生地は分厚く、断熱性能が高く作られているようだ。

キャンプ場でわざわざサウナをやるのか!と目からウロコだ。金持ちの趣味なのかな、それとも「大自然の中でサウナを満喫したい」という人が増えたのかな、どっちだろう。
僕には全然「テントサウナの良さ」を理解できない。「バッカじゃないの?」と思っているわけではなく、単に僕の想像の範疇を超えているということだ。
でも、よく考えるとテントサウナってキャンプ場に適しているとも言える。なにせ、燃料である薪はキャンプ場で売られているからだ。
だとしても、キャンプ場において、どういうシチュエーションでテントサウナを楽しむのか、やっぱり想像ができない。一泊二日の日程で、夕方頃にキャンプ場に着いて、翌朝撤収・・・というスケジュールだとサウナどころじゃないと思うし。二泊以上して、ゆったりした予定を組んでいる人なら時間を気にせず楽しめるだろう。
黒いテントサウナの隣のベージュ色のテントは、ゼログラビティチェアが2脚設置されてあった。

サウナでのぼせたら、このチェアをリクライニングさせてぐったりとくつろぐ、というスタイルなのだろう。
どちらのテントも、眺望はまったく望めない。森のほうに入り口が向いているし、そもそもサウナテントは熱気を溜めるために開放感が殆どない。なので、ここを利用する人はひたすらサウナで自分と向き合う時間を過ごすことになる。
「大自然の中でサウナを満喫!」というわけではない、というのが変なストイックさで面白い。
19,800円を払ってこれを利用しようとは全く思わなかったが、すごい世界があるものだな、としきりと感心してしまう設備だった。
(2023.08.26)
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