内反小趾を防ぐために、僕は次なる健康器具に手を染める【足指トレーニングチューブ】

2023年から、毎月一回の登山を自分の人生にプラスした。

目的は、「死ぬまでに日本百名山をすべて登る」ためで、そのためには寒い季節に基礎体力作りをしておく必要がある。なので、秋、冬、春の間は東京近郊の低山を歩くようにしている。

そうやって歩いてみると、案外気がつくのが長いこと生きてきたことに対する肉体の弊害だ。微妙な身体の歪みや昔からの癖が、この歳になってくると痛みなどで表面化してくる。

てっきり、僕の登山にとって最大の支障となるのが、筋力と心肺能力だと思っていた。日頃の運動不足を解消することが、登山を続ける上で大事だと思っていた。しかし実際は、整形外科領域において体のあちこちをメンテナンスする必要が出てきている。

その顕著な例が内反小趾で、この1年くらいはインソールを作ったり指の隙間を開けるという怪しい健康サポーターを装着したり、ケアに勤しんできた。

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しかし、直近の登山でも足の小指と薬指が当たっている感じがし、このままだとまた指が痛くなることが心配された。もう少し、足の指と指の間隔を空けるような工夫が必要だ。

そこで買ったのがこれ。「足指トレーニングチューブリング」。

予め言っておくが、僕はこの手の健康グッズをあれこれ衝動買いしているが、基本的にどれも他人にはおすすめしない。人によってかなり個人差が出るからだ。たとえばAmazonにおけるこの商品のレビュー記事を読むと、役に立たないという意見と役に立ったという意見、両方を見つけることができる。それだけならともかく、「きつくて痛い」という意見と「ちょうどよい」という意見もあり、自分が購入する際の参考になりづらい。

それでも僕がこれを買ったのは、楽をして足の指同士の隙間を開けたかったし、足の指のトレーニングっぽいことをしたかったからだ。

足の指を鍛える上で一番手っ取り早くお金がかからない方法は、足でグーチョキパーを作る練習を繰り返すことと、足の指だけで床に敷いたタオルを手繰り寄せるトレーニングをすることだ。でも、案外この簡単なことが僕には続けられなかった。簡単であるということは、飽きるということでもあるからだ。

当初購入しようと思っていた健康グッズはこれだった。

足の指の間にチューブを挟み、反対側のつり革のような部分をぐーっと引っ張るというグッズだ。指の隙間からチューブが抜けてしまわないように賢明に踏ん張らないといけないので、それがトレーニングになるという。なるほど、たしかに効きそうな気がする。

でも、いちいち仕事をやっている手を止め、そんなトレーニングをやるだろうか?たぶんやらないと思う。やったとしても、最初の数日だけの予感がプンプンする。このゴムを足の指にセットしてー、取っ手をつかんでー、ぐいーっと引っ張ってー、反対の足にセッティングしなおしてー、という手間がもう面倒だ。

そんなわけで、「装着したままずっと過ごすことができそう」なこの商品を買ってみた。効果は不明だけど、なによりも「つけたままで生活できる」というのがいい。

で、買って装着してみたのがこれ。事情を知らない他人が見たら、間抜けな光景だと思う。でも、誰からも見られることはないので心配無用だ。

装着感は、さほどときめきを感じるものではない。「ああっ、これは足が改善している感じがするゥ!」という新しい痛みや喜びは特になく、矯正しているという実感はない。ただし、それは効果が薄いということの裏返しでもある。長時間使うには(僕にとっては)ちょうどよい牽引力だ。

このグッズを足にセットしただけでは、足のどの部位にどうアプローチして何を改善したいのか、全くわからない。買った直後は、装着して10分もすれば指が痛くなった。でもそれもすぐに感じなくなった。足が痛みに慣れたのか、指同士の間が期待通りに広がったのか、それともシリコンが劣化したのかは不明だ。

これを装着していたからといって足の指同士が広がる癖がつくとは到底思えない。足の指は全体重を支える重要な場所だ。こんなゴム程度で、そうやすやすと位置が是正されるわけがない。とはいえ、やらないよりマシ程度のつもりで、僕は毎日このゴムを装着している。痛くないのだから、きゅうくつだけど続けてみようと思っている。

とはいえ、この格好のままでソックスを履いて外出するということはできない。あくまでも、家の中で裸足でいるときだけだ。

どうやら、このグッズを装着したままで家の中を歩き回ると、少し効果があるような気がする。ゴムの力で足の指が持ち上がろうとするのだが、そのままでは指先に体重がのせにくく、体の重心を整えるのがむつかしくなる。そのため、自然と足の指で地面を押さえつけるように力を入れることになり、トレーニングになっている気がする。

気がする、だけだ。これによって筋肉痛になることもないし、何か目立った効果があるわけでもない。

こういう健康グッズは、症状が改善することを目的に買うものじゃない。「へえ、こんな商品もあるのか!」と驚いて感心しつつ、つい衝動買いしてしまうものだ。そして後になって、「やっぱり効果はよくわからないや」とぼやくところまでがワンセットだ。今回、その点では楽しめる商品だった。

(2024.01.05)

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