僕の断酒のパートナーだったsodastreamが2代目になった(今でも現役!)

おかでん家の食卓に彩りを与えてくれた重要なアイテムの一つに、「sodastream」がある。自宅で簡単に炭酸水を作ることができるもので、家電量販店に行けばコーヒーメーカーなど調理家電が置いてあるエリアに置いてあることが多い。

もともと僕は炭酸水を飲むという習慣がなかった。いや、僕に限った話ではなく、昭和生まれの人たちは「味がついていない炭酸水を飲む」ということに抵抗感があるところから人生をスタートさせている。というのも、炭酸飲料イコールジュース、という固定観念がずっとこびりついている世代だからだ。

「外国に行ってレストランに入ったら、ガス入りウォーターしかなくて困った」「ペリエ、まずい」などという意見は僕が20代の頃には枚挙に暇がなかった。だから、たぶん1990年代までは「えー、炭酸水をそのまま飲むの?」という意見は多かったと思う。

そんな僕がこの家庭用炭酸水メーカー、「sodastream」を買ったのは、人生を悔い改めて一切お酒を飲まなくなった2013年・・・の翌年、2014年だと思う。僕は2013年末にそれまで住んでいた家を引っ越し、心機一転「丁寧な暮らし」を志すようになった。この際に布団をはじめとする生活用品どろか、テレビや電子レンジといった家電もほぼ全部買い直している。その中に含まれていたのが、sodastreamだった。

大好きだったビールが飲めなくなったため、その穴埋めとして炭酸水を飲むようになったのは間違いない。

ただ、ガチなアルコール依存の人と僕とが違うのは、「酒への渇望を誤魔化すため」ではなかったということだ。僕の場合、それまでの人生でビールを飲みながらメシを食うということが当たり前になりすぎていて、断酒して以降ビールに相当する飲み物がないとどうも居心地が悪かった。シュワシュワする飲み物が家にあると良い、と思っていた。

当初はウィルキンソンのジンジャーエール辛口をケースで買って家に常備していた。でも、甘いジュースをご飯のお供にするのは、ちょっと不本意だった。また、飲み終わったペットボトルが大量にゴミとなるのが邪魔だった。

そんなわけでsodastreamを買って炭酸水を作るようになったのだが、しばらくの間はやっぱり「素の、炭酸水」は敬遠していた。もっぱらかき氷のシロップを買い、それをsodastreamで作った炭酸水に注いでフルーツジュースを作っていた。

かき氷のシロップ、といっても縁日屋台で扱っているようなケミカルな色をしたものではない。もうちょっと値段が高いものだ。値段が高いシロップを使うと、かなり美味しいドリンクが自宅で作ることができた。

キャプテン
¥717 (2024/02/28 13:10時点 | Amazon調べ)

中村商店、というところが扱っているキャプテンブランドのシロップは種類が豊富で、またクオリティも高くて僕のお気に入りだった。

おそらく、こういう甘いものを飲みたがったのは、僕の食卓からビールが消えたからだろう。お酒をやめた人は、一気に甘いものを食べるようになるという。実際僕がそうで、過去20年間は殆ど甘いものを口にしてこなかったのに、酒をやめたら食べるようになった。ビールや清酒、ワインなどに含まれている糖分を摂取しなくなったので、その分を別のもので補おうと体が欲するかららしい。

2014年当時の僕は、このシロップをずらずらとリビングの棚に並べ、「今日はどのフレーバーにしようかな」と楽しんでいたものだ。今思えば、アルコールそのものに対する執着はなくても、アルコール文化そのものへの執着が相当根深った。

お酒をやめる、というのは物理的な脱却のことだけでは済まない。生活習慣や美意識といった精神的な世界をも変えなければならない。僕の場合、sodastreamがあったお陰で酒浸しの生活から酒なしの生活への橋渡しがスムーズにできたと思っている。

家電量販店で売られているsodastreamだが、僕が持っているタイプは電気を必要としない。電池さえもいらないので、なぜ家電量販店で売っているのか?と若干疑問に感じる。でも、キッチンの蛇口に取り付ける浄水器が家電量販店で売られているのだから、炭酸水メーカーも家電量販店ということなのだろう。

むしろそのおかげで、CO2ボンベの交換が楽だ。ビックカメラやヨドバシカメラに行って、カラになったボンベを交換するのだけど、お店が便利な場所にあるので助かっている。何かのついででお店に立ち寄ることができる。

ボンベは相当頑丈な作りだ。高圧でCO2が入っているため、雑な扱いをすると破裂して爆弾がわりになってしまう。そのため、ボンベを購入・交換する際は住所氏名電話番号の報告が求められるし、併せて誓約書のようなものに目を通す必要がある。

ボンベはすべて通番管理されていて、どのボンベが誰の手元にあるのかが追跡できるようになっている。

ちなみにボンベ1本を新規に買うと、4,000円以上する。クッソ高い。60リットルの炭酸水が製造できるとはいえ、ギョッとする値段だ。しかしカラになったボンベをお店に持っていき新しいボンベと交換すると、交換用ボンベは2,000円ちょっとになる。要するに、ボンベのデポジット代が2,000円というわけだ。

なんでもECサイトでポチりたがる僕だが、このボンベばかりは店頭に持っていくようにしている。ネットで交換用ボンベを買った場合、カラになったボンベを送付する手間が面倒だからだ。

このsodastreamは、値段が高いものになればボタンを押せば電動で炭酸水を作ってくれるモデルもある。しかし安いものは人力頼みだ。

作りは非常にシンプルだ。炭酸ボンベを本体裏にねじ込んで、本体表に水を入れた専用ペットボトルをねじ込んで、さあ行け!と本体上にあるボタンを押し込む。するとブシューと音がして、ボンベからボトルに炭酸が注がれ、炭酸水が作られる。3回程度ボタンを押し込んだら出来上がりで、強炭酸がご希望なら5回くらい押せば良い。

ただし調子に乗って強炭酸水ばかりを作っていたら、あっという間にボンベ交換時期がやってくるのでほどほどが大事。

このボタンはかなり固い。片手でポチッと押し込めるようなものではなく、両手の親指を使って、まるで指圧をするかのようにぐーっと力をかける必要がある。力が弱い女性や子どもでも押せるっちゃあ押せるが、その固さが面倒で炭酸水を作るのを敬遠してしまうレベルだ。

今回、我が家に2代目のsodastreamがやってきた。今回はE-TERRAという、電動モデルだ。電源ケーブルを取り回さないといけないので狭いキッチンではやや邪魔だけど、それを承知で導入した。

そもそも初代sodastreamがお役御免になったのは、ここ最近急速にガスがボンベに入らなくなってきたからだ。どうも、加圧している最中にガス漏れを起こしているっぽい。9年も使ってきたので、本体とボンベとの境目のパッキンが劣化したのだろう。強い圧がかかる部分なので、これはもう仕方がない。

最近の僕は炭酸水をあまり飲まなくなった。ノンアルコールビールを多飲しているからだ。一方、パートナーのいしは夕食のおともとして炭酸水を嗜んでいる。彼女は、sodastreamを買い替えること、値段が高いけれど電動化すること両方に即答で賛成した。彼女としても、ボタンをグイッと力いっぱい押し込む動作は面倒だったらしい。

sodastreamは僕が初めて買った9年前から一貫して、「炭酸水を作る。以上おしまい。」な製品だ。それでも、商品ラインナップが歳月とともに変わっていく。値段が高いものから高くないものまでいろいろあるが、何がどう違うから値段の差があるのか、ぱっと見よくわからない。どうやらデザイン性が優れているというだけで割高になっている商品もあるぞ?という例もある。

日本の家電というのは、「機能が増えると、値段が上がる。一番値段が高い商品は一番高機能」というのが定番だ。しかし、sodastreamの場合はそうなっていない。購入する際は直感的ではない商品ラインナップを睨みつけながら、どれを買うのがよいのかよく考えたほうがいい。

僕が買ったE-TERRAというのは、

  • 電気で動きます。
  • ボタンタッチ1発で炭酸水を仕上げます。炭酸の強さは3段階から選べます。
  • これまでクルクルとねじ込まないといけなかった、炭酸ボンベがワンタッチで装着できるようになっています
  • これまでクルクルとねじ込まないといけなかった、水のボトルがワンタッチで装着できるようになっています

という商品だ。快適すぎる。僕にとっては全部入り商品といった様相だ。

ただしお値段は高く、2024年2月時点では24,200円もする。大した機構を備えているわけでもないのに高すぎると思うが、他に安い代替品があるわけではないので仕方がない。

ちなみに、9年前に買った初代は、10,000円弱だった。プラスチックとごく少量の金属でこの値段には相当びっくりしたものだ。今でも電気に頼らない、手動式sodastreamはモデルチェンジを経ながら売られているが、13,200円になっている。これもまた高い。

ソーダストリーム
¥10,890 (2024/02/28 13:10時点 | Amazon調べ)

この商品の売り文句の一つに、「お店で炭酸水を買うより安い」というものがあるが、それはあまり正しくないと思う。初期投資がかなり高いし、「60リットルの炭酸水が作れるCO2ボンベ」といっても実際はもっと少ない量でガス欠になるからだ。

そう考えると贅沢な飲み物だな、と思う。水道水を飲んでりゃ激安で済むのに、高いお金を払って炭酸水を作っているのだから。でも、その贅沢に対する罪悪感を乗り越えるだけの満足感が、この商品にはある。できたてビチビチの強炭酸水は、格好の癒やしになるからだ。

今回買ったモデルは、ペットボトルをセットすると青いLEDが光るギミックが備わっていた。そういうのはいらないからもっと安くしてくれ、と思うが仕方がない。

これまでは「ペットボトルをねじ込んで、力いっぱいボタンを押して炭酸水を作る」というのが精神的に面倒だった。でも今度はワンタッチで炭酸水が作れる。今年の夏は炭酸水の消費量が増えそうだ。お金がかかるが、その分僕がよく飲んでいるエナジードリンクやノンアルコールビールの消費量が減ればいいと思っている。

(2024.02.20)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください